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言霊2
情熱的なキスを解いて、透の両脚を肩に担ぎ上げた。
「……あ、あきひろ……はやく」
彰広は逞しい男根で透の後孔を一気に貫いた。
「ぅあぁああッッ───!!……ひぃ、い、あっ……アッ!」
透の痩身が大きく仰け反り、悲鳴混じりの喘ぎ声を迸らせた。
「くっ……!」
透のアナルのきつい締め付けに、痛みに近い快楽を得て、彰広も眉根を寄せる。
「あぁあっ!!……彰広……っあ!」
透の足首を掴み、これ以上ないくらいに奥深くまで抉るように突き入れる。
透の後孔が切れて、赤い血が伝う。
苦痛と快楽にガクガクと透の痩身が震えた。今の透には痛みさえも欲望を焚き付けるスパイスになる。
彰広は透の顎を掴み、激しく貪るように口づけた。
そのまま激しく、ベッドごと揺らすように大きく突き上げた。
「透っ!」
膝裏を腕に抱え上げたまま、彰広は透と手のひらを合わせ、互いの指を絡ませる。
動けないように透の体をベッドに縫いとめて、下肢を密着させて突き上げ続けた。
「あ! あ! あ!……ハッ……あぁ、あきひろぉ……!!」
全身を硬直させ、あっという間に透は絶頂に達した。
ガクリと脱力した透の髪を梳き、手のひらで汗ばんだ頬を包む。
「……彰広……まだ、もっと……してくれ……」
彰広の掌に頬をすり寄せるようにして、透が続きをねだる。
「……透……透」
彰広は突き上げる動きを再開した。ねっとりと腰を蠢かせて、再び透を絶頂へと導く。
透の震える両手が彰広の頭を引き寄せ、いつものように髪をかき乱す。
「アッ……ハァ……して……もっと、あぁ、あ、きひろ……」
彰広は透の体を抱き上げ、対面座位でより深く繋がる。
彰広は両手で透の裸身をかき抱き、互いの体をぴったりと合わせた。
透も必死に彰広の頭を抱き寄せ、離してなるものかと深く唇を貪る。二人は激しく交わりあった。
「ああぁッ!……イクッ!あ……も、イク……!」
悲鳴じみた透の嬌声と彰広の荒い呼吸が響く。透は何度目かのドライオーガズムに達しようとしていた。
「っ……何度でもイケよ……俺も出すぞ。透」
「ぁあ……だ、して!……彰広……奥に、出して……欲しい……あ、きひろ!!」
「……透ッ!」
彰広が透の最奥に熱を吐き出した瞬間に、透も大きく背を反らせて、再び絶頂に達した。
「ハァッ……ハッ……ッ」
彰広は荒い呼吸のまま、ゆっくりと透の体をベッドに降ろした。
一度体を離そうとしたが、透のすらりとした両脚が彰広の腰に絡まった。透が再び彰広を求める。
「……彰広」
「いくらでもしてやる……透」
彰広はシャツを脱ぎ、逞しい裸身を露わにした。そして、透の細い腰を掴み、再び挑んだ。
「アッ! あ! あ!……イイ……もっと、してくれっ……彰広ぉ!」
まるで狂ったように、透はあけすけに彰広を求める。身も世もなく悶え、よがり鳴いた。
腰を使い、下肢を責めながら、彰広は大きな両手で透の頭を包み、視線を合わせる。彰広は迷いのない、熱い眼差しで透を見つめた。
「お前は俺のものだ。透。もうどこにも行かせない」
「あ、彰広……もっと、お前のものにしてくれ……あぁ」
「 お前が好きだ。もう、ずっと昔から……お前だけだ。愛している。透」
透は初めて、彰広から言葉を貰った。
虚ろだった透の目尻から涙が伝う。
彰広の唇が透の涙を吸い上げ、そのまま唇に深く口づける。
キスの合間に、小さな声で「彰広、彰広」と名を呼ばれ続けた。
彰広は応えるように、どこまでも深く、強く、透が意識を失うまで抱き続けた。
彰広の腕の中で、透はピクリとも動かず、死人のように眠っている。
彰広は暗い情念の宿った瞳で透を見つめていた。
彰広はもう透を帰すつもりはなかった。
元の生活にも。あの部屋にも。学校にも。友人や家族の元にも。
彰広の手元に、目の届く場所に置く。
それが、籠の鳥のように、透を閉じ込めることになったとしても。
「……すまない。透」
もうどこにも行かせない。
透に自由を与えられない。
例え透が拒んだとしても……
彰広は眠る透の唇に触れるだけのキスをした。
end
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