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露天街
「疲れた……」
懐かしいベンチに腰をかける。
今までの疲れが一気に吹き飛ぶ、ほどではないけど少し気分が軽くなった。
「ねえ、明日のお祭り行く?」
「行く!新しい浴衣買ったんだ~」
「ほんとに!?いいな~」
女子中学生だろうか、僕に見向きもせず自分たちの話に夢中になっている。
「そっか、明日か」
年に一度の小さな町のお祭り。
露店にある食べ物を全制覇しようだなんて、高校生にもなってはしゃいでいたアイツを思い出して思わず吹き出す。
「馬鹿だったなあ、お前も、僕も、」
届かない遠くの空に話しかける。
「もう少しで家、着いちゃうけど、どうしよ」
「アイツの顔見るの、少し、苦しいな」
「ここまで歩くの、こんなに大変だとはなぁ…」
ぽつりぽつりと言葉をこぼす。
暇だなあ
明日まで何をしてたらいいのか、全く思い浮かばない。
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