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雨 アップルパイ 指先

正木の事が好きなのに 体は意思とは裏腹に、高瀬を求めてしまう…… あのオス独特の強い匂い 堪らなくなって、クラっとする… 「……正木」 怖くて、隣で眠る正木の腕に絡み付く しとしとと降り続く雨の夜 まるで僕の心の様 『アップルパイやるぞ』 高瀬を含めたα数人が集まり、こそこそと話しているのを偶然目撃した 噂には聞いている ビッチで有名なΩ、林檎姫主催の乱交パーティ 変態高瀬にとっては願ってもないパーティなんだろう ……けど、何か嫌だ… 学校の門をくぐり、会場となる生徒会室へと向かう しん、と静まり返る暗い廊下に一人…… 足音だけが妙に反響して恐怖が増し、肝が縮む …… 「……!」 と、突然 背後から口を塞がれる そのまま抱き寄せられ、耳元に熱い息がかかった 「…捕まえた」 誰だか解らない……口を塞ぐ手とは違う手が、裾から簡単に入り込み、僕の胸にある小さな蕾を指で弾く 「……っ!」 「すげぇ、いい匂い…」 容赦なく耳朶を舐められる ゾワゾワと、鳥肌が立ち恐怖で体が震えた ……高瀬の時と、違う… やだ、ヤダ……! 逃げようとしても、背後の男は許してくれない 胸の尖りを弄った手が、今度は僕の鼠径部に触れた 「…俺の番にナニしてんの?」 暗闇から、高瀬が現れる 「エルが犠牲になる位なら、林檎姫はてめぇにくれてやるよ」 ポケットに手を突っ込んだまま近付いた高瀬が、僕の前に来ると片手を伸ばした 相手は案外すんなり僕を解放した 突き飛ばされたせいで、高瀬の胸の中に収まる 「……あ、ありがと」 そう言うと、高瀬が僕の背中に片腕を回す ふわり、とオスの匂いが鼻を刺激する 負い目もあり、振り払うことができない…… 「…ごめんね……僕を助けたせいで……」 「元々逆ハーレムになんて興味ねぇよ」 背中に回った高瀬の腕に力が籠る 「……え、じゃあ、何でここにいるの?」 「それはこっちの台詞……」 見上げると、高瀬と視線がぶつかる …そこから、目が離せない…… 高瀬の指先が、僕の頬に触れる 「……エル」 わからない……何で…… ……運命には抗えないの…? 何で僕 高瀬とキスしてるの……?

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