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第7話

「おにいさん、俺、明日でバイト終わるだ」 青年は唐突に話し出した。 「おにいさん、名前何ていうの。俺は、」 「ハヤト」 生温い空間が動いて、青年がこちらを向く気配がした。 「キミの友人がそう呼んでただろ」 納得した青年は、 「おにいさんの名前は?」 やはり同じ質問を繰り返す。 「カツミ」 私がそう答えると、 「…カツミ、さん」 青年は小さく復唱した。

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