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第29話

 今日は、アストルガを抜け先を目指す。見所も逃さず。石橋やサンタ・マリア大聖堂。なんとピンク色の教会。美しい。  街を抜け、イラゴ越えが始まる。昨夜の事、反省しつつ。今日は峠越えが始まるのにナニやってるんだ俺。  途中、”鉄の十字架”に立ち寄り、祈りを込めた小石を積む。  山を下り、モリナセカ村に到着。天気も回復して、カンカン照りだ。  「今日はどうする?次まで行けそう?」  ケンが、ペースが落ちてる俺に声をかける。  「うん、まだ大丈夫。行こう。」  今日は長めに歩く。目的地は、ラ・ラグーナ・デ・カスティージャの街だ。途中、農園の人からワイン用の葡萄を頂き、食べながら歩く。う~ん、甘くて美味しい。俺が大口開けて、直接葡萄にかぶりついてるのをケンが、ジィーと見てる。  「何?なんかおかしい?」  「・・・いや、別に。」  ん~なんか様子が、おかしいけどな。  後で蓮が教えてくれた。葡萄って何かゲイの象徴みたいらしい。ふーん、検索したけど出ないぞ。  少し前を蓮とケンが何か話しながら歩く。俺は俺のペース。無理しても後がキツイだけだし、足の長さが違うから歩調が合わない。マイペースが1番。  気がつくと、ケンが泣いてる。目元を押さえて堪えてるようだ。話が分からないから声かけづらいな。蓮に任せよう、昔の事でも思い出したのかも知れない。  目的地に着くと宿探し。巡礼シーズン後半も重なり、またも  「コンプリート。」  ぬぅ。またかよ。数件廻ったが時間が遅かったせいで、どこも埋まってる。ハァ、俺のせいかなぁ。  「ごめん、俺のペース遅かったから空きがなくて。今日のホテル代出すよ。」  「気にしなくて良いよ。凛が悪い訳じゃない。」  ケンが、フォローしてくれた。もう、落ち着いてる。良かった。  英語もスペイン語も出来ないので、部屋決めもケンと蓮に任せる。  「もう部屋に入れるって。今日は沢山歩いたから、食事も一階のレストランで良い?」  「うん、良いよ。」  部屋に入る。3人で。あれ?  「一部屋借りたの?今日は3人一部屋?」  「うん。スィートルームだから、広いよ。」  スィート?何でそんな高い所!  「何で、スィート?1番安い部屋で構わないのに。」  「いや、ちょっとね。」  何か理由がありそうだが、腹が減ったんでレストランで夕食。順番にシャワー浴びてマッタリ。  「凛は、蓮が好きなんだよね。」  「え、あぁまぁ付き合ってるし、パートナーだと思ってるよ?」  「凛は、僕の事好き?」  「ん?うん、大好きだよ。いつも気にかけてくれてるし。感謝してる。」  「僕の好きは、それじゃ無い。愛情だ。愛してるんだ。」  蓮の目の前で、愛の告白された。どうしよう。沈黙が続く。  「う~ん。そうか。でも多分能力に当たってるだけだと思うよ。」  「じゃ何で、最初のカミーノから凛が頭から心から離れない!?」  ケンは頭を抱えて震えている。確かにケンは俺を性的な意味で見てるのは知ってたけど彼はそれを外に出さなかった。  「蓮・・・俺どうしたら良いかな?分からないよ。」  まだカミーノもあと少しある。仲違いはしたくない。  「俺もあんまり乗り気じゃないけど。」  蓮が俺をヒョイと抱えてベッドへ。バスローブの前がはだけて、慌てて隠す。  「な、何?」  「凛、凛に触れたい。」  ベッドの反対側にいたケン。どういう事?状況が、分からない。ベッドの両サイドに蓮とケンが腰掛けてる。真ん中に寝かされてる俺。な、何かヤバくないか?  起き上がりベッドから降りようとした。  「無理強いはしない。俺も友人とは言え、ケンに凛を触られたくない。だけどケンは本気だ。余りに恋焦がれて涙したよ。」  さっき泣いてたのは、俺の事だったのか。ケンを見ると涙目だし、少し緊張もしてる。  「俺も蓮以外とそういう行為はしたくない。まして、親友なのに。あり得ないよ。ごめん、ケンの気持ちは受け取れない。」  俺の意見は無視された。  ケンは、今まで見た事がない雄の顔をして俺をベッドに押し付けた。  「や、止めろって!」  本気で暴れたら俺が強い。ヨシっと力を入れようとしたら、キス。情熱的なキスだ。どうにか顔を離そうとするが、しっかり顎を掴まれた。ケンは・・・涙を流しながらキスしてきた。そんなに辛かったのか?明るく振舞ってたのは演技だった?そんなに俺の事、愛して守ってきたの?  急に胸が熱くなって俺の眼からも涙が溢れた。カミーノ2人っきりで歩いた2ヶ月。そして今は恋人と歩く俺をずっと横で見ていた。恋焦がれてる俺を見つめる事しか出来なかった。  蓮、ごめん。俺、ケンを受け入れるよ。  ケンの頬に手を添えて、唇を開く。ケンが舌を入れてきた。俺も呼応するように絡める。ケンは俺の髪を撫でながら、キスに夢中だ。蓮は・・・少しムッとしてるかな。蓮に視線を向ける。蓮は服を脱いでベッドに上がってる。え、ちょっと待て。今、ケンの相手してるじゃん。  「2人だけでお楽しみは、許可出来ないな。」  本気かよ。  ケンも唇を離し服を脱ぎ始めた。服を脱ぐと再びキス。蓮は、脚に唇を付け舌で内腿をなぞる。  「んっ、ま、待ってっ!ひ、1人ずつが良い。」  俺の精一杯の要求。ケンを受け止めるって決めたから、頼むから1人ずつにして欲しい。  「無理強いはしないって言ったろ?凛の身体に嫌かどうか聞く。」  ケンは、キスしながら胸に手を這わしてきた。掌で胸全体を捏ねるように。蓮は、内腿から身体の中心へ舌を這わす。身体が熱を帯びてきた。ドイツで沢山の男を相手した時とは違う。2人とも愛情を持って俺に触れてる。  「んっ、ふぅっ」  ケンが胸の突起をクリクリと摘む。思わず声が出てしまった。  「凛は、胸弱いから愛してやって、ケン。」  ケンは胸の突起に唇を這わせて舌で愛撫し始めた。  「んっ!あぁ、ケ、ケン!」  蓮は蓮で、俺の息子を口に含む。上下で同時に愛撫されたら俺どうなるの?もう、身体は与えられる快感に反応している。胸を強く弱く吸われ、もう片方は指で転がされてる。  「ファッ!んんぅ!」  息子も先端の弱い所を中心に舐められてる。  「凛の胸、プックリ勃ってるよ。紅くて綺麗だ。」  「こっちも立派に勃ってるよ、凛。」  そんな事、報告要らない!  「どうする?止める?身体は喜んでるみたいだけど。」  蓮が意地悪な質問をしてきた。  「か、身体に聞くんだろ?じゃ反応で分かれよ!」  「了解。ケン、もっと愛してやって。俺も乗ってきたから。」  再び顔を俺の下半身に埋める。  「あぁっ!蓮っ、強いっ」  先端を強く吸い上げた。腰が浮く。ケンも胸に顔を近づけ、執拗に突起を嬲る。  「ハァッ、ケンッ!んっ良い!」  軽く噛んだり強く吸ったり。堪らない。蓮に開発されたイヤラシイ身体は2人の男の愛撫を受け入れてる。俺はケンの太腿に手を這わして、昂ぶっているモノに触れた。熱い。堅くて大きい。手を上下に動かしてケンに感じてる事、そして愛情のお返し。  「ふぅ、凛、気持ちいいよ。」  ケンがウットリとした顔で応える。俺はゆるりと唇を開きキスを求める。またケンの舌が入ってきた。ケンの舌をチュウチュウと吸う。もう、理性なんてぶっ飛んでる。蓮が蕾に指を入れてきた。  「んあっ!あぁんっ、クゥッ!」  昨日の今日だ。少しの慣らしだけで蓮の指を3本も飲み込んでる。腰が内壁が、熱く指を受け入れてる。蓮も今日は直ぐに挿入せずに、俺の昂りを舐めている。袋を含んで転がしたり、蕾の縁に舌を這わせたり。  ケンは、耳を軽く噛む。  「んっ、ケン、耳ダ、ダメッ」  身体を捩り2人から与えられる快感から逃げようとする。  「ダメは、良いって事だからケン気にするな。」  変なアドバイスしなくていい。耳はくすぐったいんだ。俺は顔を上げ、ケンの胸に舌を這わす。ケンの胸も勃ってる。舌で、チロチロと遊ぶ。  「り、凛、胸よりコッチが良い。」  ケンが腰を顔の前に突き出す。ケンの熱い昂りが目の前。手を添えて、舌を這わす。大きいから口に入りきれない。横から咥えたり、先端を含んだり。  「あぁ、良いよ、凛。気持ち良い!」  「えらく楽しそうだな。俺も気持ちよくして?凛。」  脚を高くあげ、双丘の奥にある蕾に熱いモノを押し当てる。  「これ、欲しい?」  俺はケンを咥えたまま、頷く。手は休まずケンを扱く。  ズルッと挿入してきた。熱い。  「んあっ!ああっ!蓮、良いっ!」  ダラシなく口から涎を垂らしながら喘ぐ。前立腺をゴリゴリと擦り上げながら入ってくる。クイッと口にケンが自身を入れようとしてきた。バックの快感に震えながら、口で奉仕をする。  「ケン、見てて。凛は凄く感じやすいんだ。」  ズンッと最奥まで突き上げた。  「んんっ!グヴッ!」  俺の息子からタラタラと精液が溢れて垂れる。  「凄いな、入れただけでイっちゃうの?」  「まだだよ。凛は後ろだけでイケるんだ。」  俺はボゥーッとしてきた頭で会話を聞いてる。蓮が動かないから、腰を揺らし催促する。  「わかってるよ、一緒に気持ち良くなろう。」  両脚を肩にかけ、腰を掴み突き上げてきた。  ケンを咥えたまま  「クフゥッ!うんぁっ!ハァァッ!」  喘ぐ。  「ほら、凛。ケンも気持ち良くさせて。」  両手でケンを扱きながら先端を舐めたり吸ったりする。ケンも手を伸ばして胸の突起を嬲る。  「んっ、あぅっ!良いっ!良すぎて頭おかしくなっちゃうよっ!」  突き上げで身体を揺らしながら、訴える。腹が熱い。欲望の塊になった身体はまだ2人からの快感を求めている。  スィートルームに響くのは、グチュグチュと俺を掻き回す音、ペチャペチャと俺がケンを吸う音、男3人の喘ぎ声だ。  「おかしくなって。快感に委ねるんだ。」  パンパンッと打ち付けながら蓮が言った。おかしくなっていい?もう、分からなくなってきた。  必死にケンのモノを吸う。舌で、尿道口をグリグリと刺激する。ジワッと味が変わる。  「あぁ、凛。ダメだよ、まだイキたくない!」  「ハァッハァッ!んんっ!」  俺もまだイキたくない。蓮が、腹の中を掻き回す。手で何とかケンを扱うけどバックの快感で、もう口は無理だ。  「れ、蓮!良い!もっと、もっと奥に来てっ!」  蓮もいつもより興奮してる。ペースが早い。最奥まで蓮が届く。あぁ、腹の底からせり上がって来た快感。これを待ってた。必死にケンを扱きながら、オーガズムに達しようとしてる。  「蓮っ!後ろ、クルッ、来ちゃう!イって良い?」  蓮は容赦なく突き上げてる。  「あぁ、イって良いよ。ナカイキしまくって!」  「んあっ!グヴッ!も、もうイクッ!」  手はケンを握ったままで、痙攣が始まる。  「良いっ!アァッ!」  内壁もヒクヒクと引き攣ってる。ケンのモノからは、透明な先走りが溢れてる。それを見ながらドライオーガズムに達した。まだ蓮はイってないからピストンは止まない。  「ヒィッ!クゥッ!あぁっ!」  ガクガクと身体が揺れる。  「蓮、凛大丈夫なの?」  「大丈夫、今、ずっとイってるだけ。俺ももう出そうっ!」  更に奥を穿つ。  「ンアッ!ヒッ!クゥァッ!」  激しい痙攣が身体を走る。  「出すよっ!凛!」  腹の奥に熱い蓮の精液が放たれた。  ズルッと蓮が抜けた。ゾクゾクする。抜かれた後もまだ身体はピクついてる。ナカイキは暫く続く。  「ほら、ケン。交代。」  俺は既に意識がふわふわしてる。  「だ、大丈夫かな、目が虚ろだよ?」  「大丈夫。今、まだイってる最中だから。入れて上げて。凛が喜ぶ。」  脚がまだガクガクと震えてる。ゆっくりと脚を持ち上げられ、やっと状況がのめた。  「ま、待って!まだ、イってるっ!」  「だから、良いんだよ。」  蓮がケンを促す。パックリと口を開いてる蕾にケンのモノが当てられた。  「んっ、まだイってるのにっ!」  涙がポロポロ溢れてるのを見てケンが不安がる。  「大丈夫だから。凛をもっと満足させて。」  ゆっくりケンが、挿入してきた。それは蓮より少し大きいけど難なく飲み込み奥へ誘う。  「凛、凄いよ!熱くて吸い付いてくる!」  「絞まりも良いだろ?」  「あぁ、凄く絞まる。中が、ヒクヒクしてる。」  全部入る前にスライドして来た。  「んあっ!ヒィッ!」  与えられる強い快感に身体が逃げる。  「逃げちゃダメ。」  蓮が俺の上半身を背後から押さえる。腰にバックに全体重がかかり、ケンのモノを深く咥えこむ。  「ンアッ!ケンッ!良い!」  身体を震わせながらケンの全てを受け止める。続け様に挿入されて、身体はずっとイってる。  「ヒィッ、クゥッ!ンッ!アァッ!」  ダメだ、目が霞んで来た。意識が飛びそう。蓮が俺の胸を強く摘み、意識を戻す。  「あんっ!蓮っ、ダメッ!」  無意識にケンを絞り上げる。  「ヴヴッ、凛、絞まるっ、緩めてっ!」  「む、無理っ!ああっ!」  ケンが激しく突き上げる。んんっまた何か溢れて来そうな感覚がしてきた。  だけど、もう伝えられない。ブルブルッと身体が震えた。  (あぁ、また漏らしちゃうっ!)  気持ち良すぎる。ケンのモノも良い所をゴリゴリと擦り上げるのだ。  「凛、大丈夫だから出しちゃいなよ。タオルあるから。」  「ンアッ!ケンッ、良い、良いよぉっ!」  鳴き声を上げる。ケンの身体も、最期とばかりに突き上げて来た。最奥に到達する度にナカイキがくる。苦しいけど良い。  「あぁんっ!気持ち良いよぉ!ひぃっ!」  背後にいる蓮に腕を廻し、ケンの突き上げを喜んでる。ケンは突き上げるのに夢中だ。リズム良く打ち付ける。  「うぅっ、凛、凄いよ、想像以上だっ!」  ケンが感じてる。俺は顔を上げ、蓮とキス。  「ふぅっ!んんっ!」  「凛、気持ち良い?俺とケンに入れられて気持ち良い?」  「・・・んっ、良いっ!お腹溶けそうっ!」  もう、身体はずっとビクビクッとナカイキが続いてる。涙が止まらない。  下半身に力が入らない。脚もガクガクだ。ケンの為に腹の力を入れて絞り上げる。  「うぅっ、もう出るッ!凛、中に出すよっ!」  「クゥッ!ヒィィッ!」  最期に最奥、蓮のモノでさえ届かない場所に熱いモノを穿つ。ケンが俺の中で弾けるのが分かったと同時に俺は透明な液体を漏らしてしまった。  気がつくと身体は綺麗に拭いてあって新しいバスローブに包まれていた。また、意識が飛んだみたい。ベッドで1人寝かされてる。  2人を探そうと身体を起こす。身体が軋むし、怠い。俺が起きたのに気付いたケンが  「大丈夫?何か飲む?」  「・・・・」  また声が出ない。その時、トロッとバックから2人分の精液が漏れた。慌てて力を入れるけど、吸収出来なかった分が流れる。  「声、出ない?」  蓮がスマホ渡して来た。  『拭くもの、頂戴。あと水。』  すると、蓮がバッとバスローブを捲り上げタオルで拭く。超恥ずかしいんだけど。  「無理させちゃったね、ごめんね凛。」  申し訳なさそうに謝るケン。  『謝る位なら、最初からヤルな。』  笑いながらケンにスマホを渡す。怒ってないよ。大丈夫。身体は疲れきってるけど。  キングサイズのベッドに3人で寝る。狭いけど何か満たされてる感じがする。その、3人でエッチした罪悪感には多少苛まれたけどね。  明日から何時も通りの関係に戻れるか不安はある。蓮はどうしてケンを許して俺とそういう行為をさせたんだろう?恋人なら嫌な筈。俺はケンの真摯な態度をずっと見てきた。たとえ、オカズにしても手は出してこなかった。男だもの、我慢には限界があるよな。目の前で俺と蓮はイチャついたり、隣の部屋でヤッてたんだ。堪らないだろう。  明日、歩けるかなぁと思いつつ、強い睡魔に勝てなかった。  翌日は休息日にした。というか、せざるを得ない状況。俺が歩けないからだ。二日連続、しかも昨夜は・・・。無理だろ。いくらディウォーカーとは言え、疲れる時は疲れるんだ。オ・セブレイロ峠越えなんて出来ない。今日は2人に甘えて、食事や風呂の準備、スィーツまで買いに行かせた。あぁ、ワインも忘れずに。  一日ゆっくり休んで、翌日早朝出発。最後の難関、峠越えだ。30km。頑張ろう!

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