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第49話
この数年、波乱万丈なことばかり。平凡な日常がいかに大切かよくわかる。
俺が動けなかった間に散らかった部屋を片付ける。特に寝室。
ガサゴソとサイドボード周辺の要らないヤツを漁る。みんな新品だけど、こんなに要らない。
「何してんの?」
「要らんモン、捨てるの。」
「えぇ、まだソコの使ってないのに!」
「・・・こんなに要らないだろ。」
「色んなバリエーションがあった方が楽しめるじゃん!捨てるの反対~!」
「なにが、バリエーションだよ。こっちの身にもなれよ。」
「みんな、意外と高価だったんだぞ。リモコンタイプだし。」
「・・・知るかよ。リモコンってなんでリモコンタイプばっかり買うんだよ。」
「そりゃ、装着して外出プレイとか・・・」
無言で全部、ゴミ袋に突っ込んだ。
「あ~冗談だってば。」
ベッドを跨ぎ、サイドボードを漁る。
「分かったよ、減らせばいいんだろう?あ~勿体ない。」
勿体ない金の使い方をしてる奴が、勿体ないとか言うな。サイドボードに入る分だけ選ばさせて、あとは処分。しょんぼりしてるけど、駄目なモンは駄目。
意識が回復してから、その致してないからもう数ヶ月エッチな事してない。気持ちは分かるが、こんなに玩具が山盛りあったら怖くて、エッチも引いてしまう。
「うわっ!」
俺を抱き上げて、ベッドに投げた。
「何、すんだよ!まだ片付け中!」
「片付けは、明日も出来る。」
ジィーと蓮と睨み合い。蓮は、その発情してる。
「エッチだって、明日出来る!」
「うんにゃ、凛かわすだろ?逃げる気満々だもんな。」
うう、その通り。
「2人っきりで寝室に居る時点で、諦めて下さい。」
「・・・玩具、使わないならいい。」
「・・・・使わないと思う?」
「・・使うだろうな。」
「正解。買って使わない訳ないじゃん。」
こんな問答、正解したくないです。まだ昼前なのに。
「ハァ、ハァ、んっ!んん!」
数ヶ月振りに触れ合う身体は直ぐに熱を帯び、蓮の与える快感を受け入れる。
「まだ、指2本だよ?そんなに感じちゃったら、指だけじゃなくて他のも欲しくなっちゃうんじゃない?」
昼間っから、淫靡な音が部屋に響く。
腰をくねらせ、蓮にもっと欲しいとねだる。
「指の代わりにコレ上げる。」
視線を蓮の手元にやると、なんか見覚えのあるモノがある。
「前のとよく似てるけどバージョンアップした奴ね。きっと気にいる。」
疼く後孔から指を抜いて、濡らしたそのバージョンアップしたらしい玩具を挿入された。小さくても強い快感を生み出す玩具。あぁ、エネマグラか。バージョンアップって何がバージョンアップなんだ?前のだって凄かったのに。
「んん、コレもしかして挿れたまま過ごせって事?」
「おっ、正解。本番は夜の予定。凛が我慢出来たらだけど。」
息子にゴムを付けられ、下着とズボンを着る。
脚を少し動かすだけで、小さな玩具が弱い良い所を抉り、快感が走る。
「んっ、あぁ、蓮、が、外出は無理だからねっ!」
もう身体は快感に震えている。何とか身体を起こしベッドに座る。
「かなり高かったんだよね。調べたら上級者向けだって。これでオーガズムイケたら凄いらしいよ。」
そんな情報、どっから得るんだよ。座るだけで中を抉られ脚が震える。
「座れたし、スイッチ入れてみるか。」
え?ま、待て、ちょっと待て!
「ま、待って!まだ慣れてないから!」
「慣れるまで待ってたら日が暮れる。」
カチカチッとスイッチON。
低音のモーター音と同時に挿さってる玩具が震えだした。
「ハァッ!んんっ!ヤァッ!」
蓮の腕にしがみ付き、強過ぎる快感に驚く。
「そんなに良い?脚、内股になって顔も紅潮して、凄くエロ可愛い。」
「ハァッ、ハァッ!んん、弱めてッ!お願い!」
何とかお願いしたけど口を唇で塞がれ、言葉は飲み込まれた。舌を絡めて、口内の感じる部分を丹念に舐めてくる。両腕を蓮の首に回し、キスに夢中になる。俺だって男だ。数ヶ月しなきゃ、溜まる。それに蓮は愛おしい大事なパートナーだ。身体は素直になれって毎回俺に言ってくる。
蓮は腕を双丘に伸ばし、挿さってる玩具をズボンの上からグリグリ動かす。
「ンアアッ!クゥッ!アァンッ、蓮、蓮!」
挿さってるモノは中で強弱をつけて動き、更に蓮に捏ねられ、快感の嵐の中だ。空いてる手で胸も弄り始めた。堪らない。
「んんぅ!アウッ、ウウッン!ヒィッ、イ、イイ!」
蓮にしがみ付き、片足はベッドに上げ腰を突き出して震える。蓮の顔を引き寄せキスをする。俺が理性を飛ばして快感に飲まれると積極的になるらしい。蓮の身体を自分に向かせ、蓮の昂りを引っ張りだす。
「凛、エロいよ。イイね。」
蓮がリモコンで、玩具の動きに変化をつける。その度に腰が跳ねる。
「ヒィッ、ングっ、フゥッ!」
喘ぎながら、蓮の熱いモノを口に含む。久しぶりの蓮の味がする。
「こりゃ夜まで持つかなぁ。」
夜まで?まず寝室から出れないと思う。必死に蓮を愛する。丹念に味わいながら。
すると俺の口から、自分のモノを引き抜きゴム付けてズボン履いてる。
「ハァ、ハァ。ん、な、何するの?」
もう、眼はトロンとしてる筈。だって自分でズボンの上から玩具を摩って動かしてる。
「ふふっ、やっぱエネマグラは凛に合うね。自分で動かすなんて、淫乱過ぎ。」
蓮相手なら、淫乱になっても良い。
「リビングに行こうか?」
「・・・んっ、分かった。」
玩具から手を離し、腰に手を当ててゆっくり歩く。その間もリモコンで弄ばれる。
「んんっ!あぁんっ、蓮、ダメッ!」
「何がダメ?気持ち良いのに。」
「よ、良過ぎるっ。歩けないっ」
ガクッと座り込もうとすると支えられ、立たされる。中では、姿勢が変わる度にグリグリと抉られ掻き回される。
「ん、ハァッ!リモコン要らないよっ!歩けないっ」
「ん?要るだろ?ほら。」
「・・・!!」
突然、強く動き出した。声も出なかった。
立ったまま、身体に強い痙攣が走る。涙が流れるのがわかる。寝室の壁に手をついて立ったまま、突然のオーガズムで身体が固まる。
「・・・ヒッ・・ンクッ・・」
微かに喉から漏れる声。
「もしかして、ドライ来た?」
顔を蓮に向け、頷く。ビクビクッと震えながら。スイッチは強のまま、蓮に支えられながらリビングのソファーに横になる。
「ハッ、ハッ、ん、あぁん!」
1人、玩具でイキ続ける。満足気に蓮は眺めてる。
「お、俺だけなの、嫌っ。蓮、蓮来てっ!」
「うん、俺も凛にぶち込みたいんだけど、こう客観的に凛が乱れる姿、見てみたい。」
「あぁ、んんっ、蓮の変態っ!」
「あ、そう言う事いっちゃう?」
カチカチッ。
「マックスッ!どう?」
蓮の声に反応出来ない。
「ヒィッ!ああっ!ぐうっ、き、キツイっ!」
双丘が玩具で震える。
「ん?本当にキツイだけ?」
手を伸ばし、服の上から玩具で中を抉り回す。イキっぱなしの身体は、与えられる刺激を全て快感に変える。頭の先から足の先まで快感に打ち震える。
「ぐうっ、ヴヴッ!んうっ、ヒィッ!」
「ん~、ドライブ行くか。」
リモコンを弱にして、少し落ち着いて来た。痙攣は時々襲ってくるけど。
「が、外出は無理だよっ!」
ガサゴソ、何か準備して俺の腰を支えて玄関へ。
「む、無理って言ってるのにっ!」
「無理じゃないよ。楽しまなきゃ。」
家で充分じゃないか。駄目なの?
俺の車に乗り込む。オートマだから片手でリモコン扱えるからみたい。
足を踏み出す度に身体はビクビクと跳ね、ナカイキする。意識が飛びそうだ。
シートに座る。玩具が更に奥に侵入する。シートを掴み、顎を上げ快感に震える。蓮が俺のズボンの前を開き、ゴムを変える。ナカイキが続いて何度か射精もして、タプタプしてる。新しいゴムを付けて終わりかと思ったら、ゴムの上から何か付けてる。テープで固定されたソレを見て驚く。
「な、何でコレ付けるの?もう玩具挿さってるのにっ!」
「もっと気持ち良くなるよ。」
「い、要らないっ。」
取ろうとしたらスイッチ入れた。息子の先端に小さなローターを付けられた。
「あぁ、んっ、お、お願いっ止めてぇっ!」
ゴムが付いてても先端の敏感な所にローターは刺激が強い。剥がしたくてもシートを握りしめてる手が離せない。オマケにエネマグラもマックスまでスイッチを上げられた。
「ヒィッ!ンアアッ!頭、頭おかしくなるっ!」
「なって?見てるのは俺だけだから。」
これが数ヶ月分のSEX?刺激が強すぎて涙が止まらない。仰け反り、顎をあげ、魚の鯉みたいにパクパク口を開け、強い快感に悲鳴をあげる。
「ちゃんと後で、俺のもぶち込むから。」
耳元で囁かれ、身体は期待する。
「・・・ヒッ・・アッ・・ウゥッ」
だらし無く開いた口から涎が流れる。脚はカタカタと震え続け、車に乗ってまだそんなに経ってないのにもう数回射精してる。ナカイキは自宅を出る前から続いてる。
「どう?気持ち良い?それとも、もう止めたい?」
もう、頭の中は快感しか追ってない。
「・・き、気持ち・・良いっ!」
両手で股間を握り、脚を閉じ玩具から与えられる快感に身体を委ねてる。ヒクヒクッと痙攣が続くが、その辛さも気持ち良い。信号で止まる度、トロンとした顔で蓮とキスをする。ビクンッと跳ねてまたイク。
「んん。蓮?・・・俺、この玩具、好き。」
喘ぎの合間に、快感を伝える。
「そう。良かった、気に入ってくれて。」
シートと腰の間に手を伸ばして来た。後孔の玩具を触りたいみたいだ。腰を浮かせ双丘を蓮に向ける。ずっとマックスで動いてるから、後孔がジンジンしてる。指が届いて、クリクリッと動かす。
「あぁ、んん。ハァァッ!」
ビクンッビクンッとまたナカイキ。
「家まで帰っても良いんだけど、俺そろそろ凛の中に挿れたい。ホテル、良い?」
「・・・うん、良いよ、後片付けしなくて済む。」
腰をくねらせながら、応える。
部屋までは何とか歩いたけどドアを閉めたら緊張感が抜けて、ガクっと脚から力が抜けた。もう1時間以上、エネマグラでイってる。
「解さなくても大丈夫だよね?」
玩具を引き抜き、後孔がパクパクと次の期待してるモノを待っている。ローターは付けっ放しだ。
「・・・うん、大丈夫。来て、蓮。」
掠れた声で誘う。ベッドの上で四つ這いになり、腰を蓮に突き出す。後孔が丸見えだ。
熱い昂りがあてがわれる。易々と根元まで飲み込む。
「あぁっ、んんっ、熱いっ!ハァッ、蓮、蓮が1番良いっ!」
玩具も良いけど蓮の昂りに勝るものはない。そこには愛情があるから。
玩具でナカイキが続いている内壁は蓮のものも痙攣しながら絞りあげる。
「はぁ、俺も気持ちいいよ、久しぶりだ。」
ゆっくりスライドを始める。どんなにゆっくりでも、ビクビクッと達してしまう。前に手を伸ばし、ゴムごとローターを外してくれた。これで蓮に集中出来る。脚を精一杯拡げ、玩具じゃ届かない最奥に蓮を受け入れる。
「ぐうっ!ウウッン!アウッ、お、奥まで、奥まで来てっ!」
腰を掴み、ゆっくりだったスライドを止め激しい突き上げに変える。
「ヒィッ!ああっ!ウウッ!」
ナカイキの先は何だろう?烈しい快感にずっと晒されて身体も頭も変になってる。前からは今まで堪えてたモノが勢いよく溢れ出した。
「凛、気持ち良いと漏らしちゃうね。ずっと我慢してた?」
「う、うんっ!が、我慢してたっ。車の中じゃ大変っ!」
パンパンッとリズム良く突き上げる。貫かれる時も抜かれる時も両方良くてイキ続ける。
「ハァッ、ハァッ、ヒィッ!ハウッ!」
(も、もう無理ッ、頭、飛ぶっ)
もう、意識が朦朧として来た。身体もイキ続けて、疲労困憊してる。フワッと意識が飛びそうになると、強く突き上げたり、胸の突起を摘んで、意識を呼び戻される。
「・・・れ、蓮っ、蓮!」
「何?」
「・・・・も、もう無理っ、限界っ」
「ん、あと少し!頑張ってっ!」
何頑張るの?分かんないよ。ガクガクと痙攣と突き上げで揺さぶられる身体。こんな激しいSEX、久しぶりだ。蓮のあと少しってどの位だろ、時々、目がクルンと視線が飛ぶ。
「ヴヴッ、ヒィッ、クゥッ!」
腹の中はもうグズグズに蕩けてる。溶けて蓮のペニスの形になってる。
身体を揺さぶられながら、何か今までに無い感覚が湧いて来た。
「アアッ!ウァッ?ンンッ!ヤァッ!!」
身体が変だ。身体をくの字に丸め、襲ってくる始めての感覚に慄く。
「ど、どうした?凛?大丈夫?辛いか?」
違う。辛いとかじゃない。分からない。シーツを握りしめて、襲ってくる感覚に堪える。
「つ、辛くないっ!蓮、蓮動いてっ!」
動きが止まると、始めての感覚に意識が向いてしまう。
「ヒィッ、グゥッ!ウウッン、ハァッ!」
身体に電気が走るみたいだ。ビシッビシッと神経に直接触れられるみたいに。
パァンッと何か俺の中で弾けた。挿さってる蓮のペニスをギリギリと締め付ける。
「っ!イタッ、凛、ゆ、緩めて!」
「・・・む、無理っ!」
大きく仰け反り、駆け抜ける電流が快感だと分かった。と同時に意識も吹っ飛んだ。
「凛、凛?大丈夫?」
蓮が心配そうに覗きこんでる。あれ?蓮、最後までイケたのかな?
「・・・うん、大丈夫。蓮、イケたの最後まで?」
「うん、凛があんまり強く締め付けるからすぐ出ちゃった。」
良かった。
「あのさ、何か何時もと違った?」
「う~ん、最後の方、電気みたいにビリビリッて来た。びっくりした。」
クスクス笑う。・・・あれ?蓮笑わない。
「どうかした?」
「・・・また凛、変化してる。」
「え?マジ?どんな感じ?」
そう鏡に映らないから良く分からないのだ。
「髪も肌もさらに若返ったっていうか、綺麗になってる。」
髪を引っ張り、見てみる。明るめの金髪がまた変わってる。小さな傷跡とかあった腕や脚もシミひとつない肌。
「エッチする度に若返ったら、蓮そのうち捕まるかもな。」
「何?凛がドライする度に変化するって事?エッチ出来ないじゃん!ヤダよ!」
結構、重大な問題?もしかして。
フワッと人影。・・・ガブリエル。ラブホまで来んのかよ。
「申し訳ないな。交わりの場まできて。」
申し訳ないって分かるなら来るなよ。
「近くまで、来たから凛の変化について知らせようかと思って。」
「うん、都合良くきたな。終わるの待ってたんじゃねーの?」
蓮が悪態をつく。確かにタイミング良すぎる。
「・・・待っていたわけじゃないが、入るタイミングに悩んだのは事実だ。」
素直に答えるガブリエル。
「そう、凛の件だが、蓮と深く交われば交わる程、美貌は磨かれ、惹きつける能力は高まる。しかし、初期と違うのは能力のコントロールが出来る事と戦闘能力も併せて高まった事だ。」
「ふ~ん。ヤればヤる程、綺麗になって強くなるのか。」
蓮、言い方下品。まぁ2人とも素っ裸なんだけど。
「イタリアで命拾いしたのも美貌の為だろう。これからはその外見を武器に利用すれば良い。」
「凛の事は何処まで知れ渡ってる?」
「ふむ。鋭い質問だな。簡単に言えば天界までという所か。闇の住人にもな。」
なるほど。だから聞いたのか。
「凛の美しさだけじゃない。強さも知れ渡ってる。当分は平和だ。現れたとしても、凛やお前達の強さを理解出来ない低俗な輩ばかりだ。」
そう伝えるとスッと消えた。
布団も被らず、情事の跡つけまくりの格好で天使と会話してた。
良いのかな?大丈夫?
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