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第58話
引っ越しなんて数日で済んだ。食べない凛に手作り料理を出して、ちゃんと食べ終わるまで、眺める。
「ずるいよなぁ。ちゃんと料理出来るのに、一緒に居た時殆どしなかった。」
「いいから、食え。喰わないとデザートも抜きだ。」
「ゔゔ、デザートあるの?」
「ほれ、チーズタルト。俺の得意料理、実は、スィーツだったりする。」
「えぇっ、マジか?ずるいよぉ~。」
飯を喰わせたら、散歩。体力が落ちてる。食って、動いて寝る。回復させるのに必死だった。
毎日、蓮の手料理にデザート。少しずつだけど食べる量も増えて、体重も戻り出した。散歩にはもう、少し暑い季節だけど蓮が必死にリハビリしてくれる。だから、俺も頑張る事にした。
「うーん、もう良くない?これ以上、続けたら、ブタになっちゃうよ。」
「体重戻った?筋トレもしてるし、かなり戻って来たね。」
もう、殆ど元どおり。回復するまでの約束の同居。終わりが近い。蓮はこの期間、一切手を出さなかった。一緒にベッドで寝て居ても、ソファーで寛いでる時も。自分の所為で弱った俺を回復させるのに必死だった。そこには恋愛関係は無い。期待しちゃ駄目だ。ちゃんと見送ろう。
空港まで蓮を送る。蓮は納得してないみたいだけど。
「じゃ、行くね。帰ってくるから。」
「コラ。駄目だよ。ちゃんとオジサンから卒業・・・」
公衆の面前で唇にキス。離してくれない。舌が入ってくる!駄目、駄目なのに!
やっと離してくれた時、
「もう二度と手放さないからね。覚悟して待っててよ。」
俺は顔が沸騰してる。皆んな見てる。
「お馬鹿!早く行け!」
ブンブンと手を振り、搭乗口に消えた。俺は小走りで車に戻る。
(何だよ!全然変わってなかったじゃ無いか!)
別れる運命?そんなん足蹴にしてやる。そうなんだ。結局、数年離れて居ても、気持ちは2人とも、何も変わって無かった。
よし、次、蓮が帰ってきたら驚かしてやろう。俺も随分、図太く回復したようだった。
空港にお迎えに来た。蓮との生活を再スタートする為に。仕事の拠点を移動する為に1ヶ月位、離れてたけどその間も、出来る限り、自分磨きした。ネットでみたり、メンズエステっていうのにも行った。髪も伸ばし放題で自分で切ってたから、美容室にも行った。あぁ、ネイルにも行ったぞ。
出口で待ってると頭1つ飛び出てる男がいる。蓮だ。自分に意識を集中して少しだけ能力発動。驚くかな?
「・・・何してんの?凛。」
あれ?驚かない。つまんないな。
グイッと手を引かれて、車に向かう。
「何してんの?何でそんな格好なの?」
ん?ピチTシャツにスキニーパンツ。ちょっとだけ、体のライン出しただけじゃないか。
「何か他に変わってない?俺頑張ったんだけどなぁ。」
「頑張る方向、間違えてる。肌も爪も髪もそんなに綺麗にして、能力出して誰を誘うんだよ!」
あれ、全部わかってたんだ。
「蓮に決まってんじゃん。」
「他の男も集まってたの気がついてないな。」
え?集まってた?知らんかった。てか、何で運転、蓮がしてるの?
「あれだ。俺の下半身に挑戦してる訳だな。分かった。泣かせるからな。」
「いや、違う。蓮の下半身に挑戦なんてしてない!」
「再会してから、全く手を出さなかった俺を挑発したんだ。責任は取れよ?」
ええ~、そんなつもりじゃ無かったのに!
車は自宅と反対方向。ラブホが並ぶ通りに走ってる。
「マジ?マジで行くの?」
「今更。煽ったらどうなるか、再度身体に染み込ませる。」
「うぅ、何か怖いんだけど~。」
「怖い?何で?凛はイキっぱなしなだけだろ?」
「もう、俺50超えたんだよ?1人エッチもしてないのに、いきなりラブホは、レベル高いよぅ~。」
「大丈夫。見た目、全く歳食ってないから。てか歳とらんし。」
「ふぇ~ん。お家帰りたいです~。」
「家でも、別に良いけど片付け面倒じゃん。誰かさん、イキまくると漏らしちゃうし。」
「言うな~!忘れてたのに!」
携帯が鳴った。あれ、華からだ。
「もしもし?どした?」
〔どうしたじゃないわよ。蓮と復縁したって?〕
「ま、まぁ、そんな所かな。また一緒に暮らすよ?」
〔フフッ、そう思って蓮にプレゼント渡してるから楽しんでね、バイバーイ!〕
一方的に話されて切られた。
「華から何か貰ったの?」
「うん、コレ貰った。」
「・・・・嘘だろ?」
「今朝、空港で見送りに来てね、渡された。有効活用しないと勿体ない。」
チケット1枚。全国チェーン、レジャーホテル割引き券。
「レ、レジャーホテルって、ラブホだよね?」
「うん。珍しい事も起こるもんだよな。あの華がだよ?ラブホの割引き券、くれるなんて。いやぁ~成長したなぁ。」
成長する方向間違ってる気がします。
「え~と、確かこの辺。名前が◯◯だよね?見て、チケット。」
「・・はい、◯◯です・・」
「あった。よし、空いてる。入ろ♪」
「い、いや、待って、ほら着替えとか無いじゃん?次にしよ?ね?次。」
「言い訳がね、レベル低い。そんなん、汚れる前に脱ぎゃ良いだけじゃん。」
「ゔゔ、ヤッパ入るの?」
「そんなに嫌?俺とエッチすんの。」
「え?い、嫌とかじゃ無いけど・・・」
恥ずかしいんじゃ!もう何年もしてない!
「じゃ、レッツラゴー!」
若いって怖い。
うわー、ピンク系でピカピカしてる。オジサンもっと落ち着いた部屋が良いなぁ。風呂も丸見えじゃないか。
「さぁさぁ、脱ぐ脱ぐ。お風呂溜めるから。」
ウキウキしてる。蓮もどうやら1人の間、全くエッチ系に手を出してなかったみたいだ。その反動が怖いんです。オジサンは。
あっと言う間に服を剥かれて、素っ裸。さっさと湯船に入ります。
「ん?何か色々置いてあるよ?何だろ。」
「あぁ、多分、入浴剤とかバスボムだろ?香りが良い奴いれてみたら?」
蓮君、元気に揺れてます。まだ何にもしてないのに。少しは隠してくれ。
「おぉ!凄いや!海外のテレビで出る奴だ!」
「子供かよ。泡が立ってるだけじゃん。」
蓮が笑いながら入ってきた。
「これ、モールでも売ってるかなぁ。良いなぁコレ。」
「気に入った?多分、売ってるよ。」
泡で水中が見えない。蓮が俺の脚を撫であげて来た。
「んっ!びっ、びっくりするだろっ!」
「びっくりじゃない。感じてんの。感覚敏感になってるだけ。」
脚を弄り、俺の中心を探し当てる。
「何だ。凛も勃ってるじゃん。」
そ、そりゃ、恋人とこんな場所にいたら、勃つよ。蓮が身体を寄せてきて、2本まとめて扱く。
「んっ、蓮、もっとゆっくりっ!」
「ほら、凛は、先端弄って?」
震える手で、蓮と自分の先端を擦る。
「アァンッ、ンンッ!ハァッ!し、刺激強いっ!」
「うん、でも一回出しとかないと、本番持たないっ!」
蓮も久々でかなり感じてる。 身体がビクビク跳ねてる。両手で強く握り、上下に扱く。
「うんっ!あぁ、も、保たない!出ちゃう!」
「俺も出るっ!」
顔が近づく。舌を絡めて濃厚なキス。あぁ、蓮の味がする。舌で口内をなぞられ、ゾクゾクする。
「くうっ!蓮っ!イクッ!」
「凛、愛してる!」
唇を再び合わせたまま、2人の昂りから白濁した液が勢いよく吐き出された。
「あっ、ハッ、ハッ、んっ。気持ちいいっ。」
「あぁ、凛は最高だもの。気持ちいいよ!」
濡れたまま、ベッドに流れ込む。
「ほら、両脚もって?」
グイッと腰を持ち上げられ、自分で両脚持ったもんだから、恥ずかしい所が丸見え。
「あ、灯、暗くしてっ!」
「駄目ー。見えないとつまんないでしょ?」
見られたくないのに!
ジュルルッと後孔を吸われる。
「やっ、やめてっ!それ、やだっ!」
「ふん?そう?」
口を後孔に付けたまま喋るなっ!
グイッと舌を尖らせ内壁を舐め回す。
「ん、んん、ハァッ、あぁっ!」
指で後孔を開き奥まで舐めようとする。
「ンアッ!ウウッ、ンクッ!」
駄目だ、何されても気持ちいい。双丘に顔を埋めて、舌で舐め回すから唾液でビショビショだ。まだ、指も入ってないのに、トロンとしてしまう。
「凛、気持ち良いんだね。目がもうウットリしてるよ。」
「・・・うん、蓮がしてくれる事、全部、気持ちいい。」
「じゃ、指挿れるね?痛かったら、言って?」
ゆっくり、指を入れられる。数年ぶりの後孔のSEXだ。ゆっくり解さないと痛い目にあう。
体勢を変えて、うつ伏せに寝て、脚を開いて蓮の指を受け入れる。やっと2本目だけど身体は指じゃない熱い蓮を求めてる。腰が、指に合わせて浮く。
「ん、蓮、もう平気。平気だから来て?」
「もうちょっと我慢だよ。まだ狭すぎる。」
んんっと腰を突き出し、早くと蓮にねだる。
「そんなにねだってもダメ。ほら、3本でき突きつだろ?」
3本目を入れられた。ん、確かにまだキツイ。
「き、キツイけど気持ち良いよっ!」
「だろうね。前からもう出てる。」
いつの間にか、前からタラタラと白い体液が溢れてた。
「んんっ、蓮、蓮っ!」
指がピストンし始めた。浅いけど気持ち良い。腰が中が、疼き出す。気がついたら膝立ちして、腰を上げて恥ずかしい格好してた。でも、そんなのどうでもいい。蓮の指を後孔が追う。
もうかなり指で解してる。もう柔らかいのに、挿れてくれない。焦ったい。自分で双丘を掴み、開いて
「も、もうっ!焦らさないでっ!早く来て!」
「我慢出来ない?俺の欲しい?」
「うん、指じゃヤダッ!蓮の、蓮のペニスが欲しいっ!」
「久々に聴くなぁ。凛、下のお口も同じ事言ってるか、聞いてみよう。」
指を抜き、パックリと開いた後孔を更に指で開いて舌で舐め回す。
「んあっ!アンっ!あぁっ、そんなに拡げたらダメェ!」
「真っ赤で、ヒクヒクしてる。なんか汁みたいのも出て来たよ。俺の唾液かな?垂れていやらしいな。」
自分で後孔に中指を立てて、
「んあっ、ここ、ここに挿れて!お願い!」
おねだりしながら、自分の中指を抜き挿しする。
「エロ過ぎだわ。凛、SEX好き?」
「れ、蓮とのSEX、好きっ!」
蓮が腰を掴み、後孔に熱い昂りを当てる。あぁ何年振りだろう。身体はスッカリ蕩けてる。
「ンアアッ!アアッ!クゥッ、ヒィィッ!」
挿入されただけなのに、身体に痙攣が走る。前からは2度目の射精だ。身体は蓮を忘れてなかった。瞳からは歓喜の涙が溢れる。
「動くよ?大丈夫?」
「う、うん、大丈夫!」
蓮の腰がスライドを始める。久しぶりの穿つこの感覚。あぁ、もう喜びの悲鳴が上がる。
「ううんっ!あぁっ、ハァッ!」
腹の奥に届く熱い昂り。前立腺を擦りながら内壁を掻き乱すモノ。身体が求めていた蓮の熱い楔。掴む物を探して、ベッドの上を彷徨ってた手を蓮が背後から掴む。グイッと引っ張られると、更に奥を貫かれる。
「んあっ!ふ、深いっ!んんっ!」
「気持ち良い?俺はメッチャ良いよっ!」
「あぁっ!良いっ!良いよぉ!蓮っ!」
最初は、パンパンッとリズム良く突いてきたけど、今は体重をかけて、ガンガン突き上げてくる。激しく揺さぶられながら、快感の渦に飲まれる。
「ヒィッ!イ、イヤァン!ンンッ!」
頭を振り乱し、強い快感に堪える。まだ、まだイキたくない!まだ終わりたくない!でも、身体は待ってくれない。久しぶりの快感に身体は素直にオーガズムを目指す。背中が仰け反り、腰を突き出す。太腿は震え、前からは透明な体液が溢れる。
「来そう?凛、ドライ、来そうだね。久しぶりなのに、感度が上がってる。凄いよ!」
「ヒッ、ハァッ!アアッ!グゥッ、く、来るぅ!」
俺の快感の波に合わせて強く突き立てる。身体が激しく震える。痙攣が走る。白目をむきそうな強い快感が襲う。中が身体が全身で、オーガズムを迎える。
「ヒィィッ!クァァッ!ウァッ!」
ガクガクと痙攣で激しく揺れる身体。でもまだ先がある。蓮は、俺がドライに達してもお構いなく、突き上げ続ける。連続でナカイキさせるんだ。
「くうっ、うう、締まり良すぎるよ!中も痙攣してるっ!」
何とか後ろを向いて、蓮の顔を見る。気持ち良いのか、恍惚とした表情だ。多分、俺も同じ顔。好きなのに別れて再開して交わる。お互いを深く求め合う。
「ハァッ、ヒィ、ウウッ!ンアッ!」
ビクビクッと身体が突かれる度に跳ねる。連続ナカイキが始まる。理性なんて吹っ飛ぶ。ただひたすら、蓮の熱いペニスから与えられる感覚だけを追う。
「フフッ、凛、もう溢れてるよ。そんなに気持ち良いんだ。」
もう、感覚が無い。いつの間にか漏らしてた。
「・・・ンアッ、イ、イイ!ず、ずっとイってるよぉ!」
泣き声で応える。
「強く突くだけが、SEXじゃないよ。ほら、足伸ばして?」
うつ伏せのまま、両脚を伸ばして閉じる。閉じた双丘に熱い昂りをねじ込む。
「浅いけど、気持ち良いはず。」
確かに浅い、浅いけど良い所に当たる。
クチュクチュと音を立てて内壁を掻き回す。
「・・ヒッ・・んっ・・・」
強い刺激じゃなくても、ナカイキは止まらない。肩を震わせながら、新しい感覚に涙も止まらない。
「ん?アレなんだろ?」
(あ、き、気付くな!頼むから、気付くな!)
俺は部屋に入ってすぐ気が付いた。飲み物かな?と思って近づいたんだ。・・・飲み物じゃなかった。アダルトグッズの自販機。蓮は玩具プレイが好きだった。気づかない様に祈るしかない。
「おっ!アレ、玩具じゃん!」
(あぁ、やっぱり気が付いた。うぅ、蓮だけで満足してるのに。)
「取り敢えず、イってからだね。」
その取り敢えずって何?腰を持ち上げられ、強く突き上げてきた。
「アアッ!ンンッ!つ、強いっ!」
痙攣が止まらない身体には強すぎる快感。
「ヒッ、ヒィィッ!」
強く揺さぶられて、意識が飛んだ。
「あの、休憩で入ったんだけど、泊まれます?えぇ、宿泊に。はい、よろしく。」
と、泊まるの?意識が戻ったら、延長の電話してた。
「お、起きた?何か食べる?ルームサービス頼めるよ?」
「要らない。てか、泊まるの?」
「うん、もう2時間経ったし、バタバタして帰るより良いでしょ?」
手に何か持ってる。・・・買ったんだ。玩具。
「ほら、見て。凄い動きするよ、コレ。」
グィングィン、先端から根元まで波打つ様に動いてる。うん、凄いね。凄いけど、ソレ使うの俺だよね?
「・・・せめて、選ばせて。」
やっと意識が戻ったら、次は玩具プレイ。身体持つかな。ローションをたっぷりと塗って、蓮が近づく。グッタリしてる腰を持ち上げ、挿入。今まで蓮を咥えこんでたから、細い玩具なんて、スルッと呑み込んだ。
「んっ、長いっコレっ!」
奥まで届く。細いから辛くは無いけど。まだ動いてないし。
「辛く無い?大丈夫なら、スイッチ入れるよ?」
枕にしがみついて、頷く。
低音のモーター音と共に腹の中で玩具がうねり出した。
「ウウッ、アアッ!コレ、この動き、変っ!」
枕にしがみ付き、初めての感覚に戸惑う。中をえぐって掻き回される。今までの玩具の単調な動きと違って、波打つ感覚、そしてグルグル回る感覚。
「ンアッ!アァンッ!クゥッ!」
治ってた痙攣が、また始まる。リモコンじゃないから自動で強弱がつくみたい。強く動くと前から、ピュルッと透明な体液が吹く。
「コレも、凛の身体に合う見たいだね。良かった。」
「ヒィッ!ンンッ、あ、合うとか、そんな問題・・・アアッ!」
蓮が玩具を動かす。脚が全身がガクガクと震える。オーガズムだ。またナカイキが始まる。正直、キツイ。自分の意思と関係なく身体に力が入って痙攣するから体力もかなり使う。
「も・・ゆるし・・てぇ!」
切れ切れに許しを請う。玩具で犯される位なら、蓮に身体が軋む位、突き上げられた方が良い。頭が痺れる。久し振りの身体には強すぎる快感。ノロノロと身体を玩具で犯されながら、蓮の昂りに顔を近づける。もう2回出したのに、元気に復活してる。口を大きく開き、口に含む。玩具よりコッチが良いと訴える様に愛撫する。
「凛、凛に口でして貰うの久し振りだっ。」
直ぐに先走りが溢れてきた。蓮の味だ。口内も感じるから、いつの間にか口での奉仕に夢中になる。その間も玩具は動き続ける。蓮も手を伸ばし、玩具をグリグリ動かす。
「ふぅんっ!んんっ、ハァッ!」
下からの快感と上での奉仕で完全に淫乱モードに入った。玩具をピストンされ、腰が跳ねる。でも、口から蓮を離さない。
「ングッ!んんっ!フウッ!」
ダラダラと口から唾液が溢れて蓮の股を濡らす。ナカイキも止まらず、また意識が朦朧としてきた。
「凛っ!良いよ!口に、口に出して良い?」
返事の代わりに強く吸い上げた。
「ううっ、出るっ!」
頭を押さえられ、喉の奥に熱い精液が当たるのが分かった。ソレを飲み干して蓮を見上げたら
「あぁ、凛!愛おしくて堪らない!」
ギュウッと抱き締められた。玩具がグリッと中を抉り、
「ヒィィッ!アアッ!」
喜びの悲鳴を上げて、再び意識が飛んだ。
チャポーンと響く音。ぬるめの湯に浸かってる。
「・・・ん、また俺、飛んでた?」
「うん、また飛んでた。2回目。身体の痙攣が止まらなかったから結構心配したよ。ちょっとやり過ぎたね。ごめん。」
「・・・反省してるなら、いいよ。・・次、玩具使う時は一緒に選ぼ?」
「うん、分かった。辛かったね。ごめん。」
ショボくれてる。
「まぁ、辛いと言えば辛いけど、気持ち良過ぎて痙攣起きるから、その無理矢理とかじゃ無いから大丈夫。怠いけど。」
「上がったら何か食べる?」
「うんにゃ、眠たい。寝れるかな?時間ある?」
「うん、時間あるよ。じゃ、先に上がってベッド片付けるね。」
何処までも優しいな。スッポンポンだけど。
綺麗にしてくれたベッドに入り、あっという間に睡魔に飲まれた。数年ぶりのエッチは疲れる。
「日にちの感覚が変。」
ホテルを出たら真昼間だ。窓も無いから、外がわからない。
「また、来る?」
「・・・来る?じゃないだろ?きたいんだろ?」
「うん。来たい。気に入っちゃった。知ってた?あのホテル、お風呂、温泉。」
「へぇ、本当?って温泉だからって頻繁には行かないからね。」
その手には乗らない。
あ、チッって言った。チッって。
帰宅して、サイドボードになおしてたチェーンに付いた指輪を蓮が引っ張り出す。
「これ、また付ける?新しいの買っても良いけど。」
「お馬鹿。これは一個しか無いから、大切なの。・・・蓮が付けてくれるなら、俺も付ける。」
チェーンから指輪を外して、俺の左薬指に通す。少し手が震えてる。顔を見ると目には涙が浮かんでる。
「本当、俺馬鹿な事したよ。凛を手放すなんて。もし、別の相手が居たら、諦められる訳ない。そいつから凛を奪ったと思う。」
ポロッと涙が落ちた。俺も蓮の指に指輪を通す。蓮の俯いていた顔を上げてキスをした。
「もう、もう終わった事だよ。同じ道歩く決心したんだろ?じゃぁ、もう何も怖くない。俺もちゃんと蓮を信頼して頼って甘える。一人で抱え込まない。また楽しく進も?」
蓮は頷くと強く抱き締めて来た。
夢のようだ。
蓮に抱き締められてる。数ヶ月前までは、想い出だけで生きてたのに。また、触れる事が出来る。あの日常が戻る。
「また、あの店行かない?潰れてないんでしょ?」
色ボケだけは治ってなかった。行かないぞ。
「え~、本当に要らないのぉ?俺の記憶と違うなぁ?」
わかったよ!行きゃ良いんだろ!
まぁ、これが蓮の日常なんだろうな。身体鍛えるか。はぁ。
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