1 / 5

第1話

僕の好きな人は、好きだと告げることさえ許されない遠い存在の人。 だからこの想いに蓋をしなくてはならない。 「あっ…ぁ、はぁ…、もっと奥…。」 肉がぶつかり合う音と喘ぎ声が広い部屋に響く。 「はぁっ!はぁっ!…良いぞぉ!もっと鳴け‼」 グチュッグチュッ!ズプン! 「あぁぁ!…はっ…はぁぁっ!狸さんっ。」 パンパンパンパンパンパンパンパンッ! 「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」 ズルリッ  精液がたっぷり入ったゴムをゴミ箱に捨てる。 「雪くん、今日も可愛かったよ。」 「そ―ぉ?ありがと。ふふ。」 「最近、表出てないね。オジサンさみしいなぁ。」「ぇー?こうやって休みの日にここに来るのに?」 オジサンは僕の腰に手をまわす。 「だって、前までずっと来てたのに…、僕も接客があるから来れなくてね…。」 「オジサン、仕事頑張らないと僕違う人と会い続けるよ?」「だめだよぉ。…頑張るぞ。」 「はぁぁ…やっと帰った。あのエロジジイ。」 明日の予定を見ようとカレンダーを見る。 「えー…明日は…ん?誰この人。小野江さん? 下の名前は…「お答えすることはできません。」 「うわぁッ!…ビックリした。驚かさないでよ。」「すみません。この方から下の名前を言わないと、申し出たので。」 スラッとした茶髪のスーツを着たこの男、樋本 昌樹。 僕のマネージャーである。 「ふーん…。まぁ良いけど。それより、僕お腹すいた。何か作ってくれる?」「はい。」   樋本の作った炒め物を食べ、もう一回シャワーを浴びて、昼まで寝ることにした。 「んッ…。ふぁぁ…。」「やっと起きたか。」 目が覚めると低い心地よい声が聞こえた。 「ん?誰ぇ?」「俺のこと、忘れたのか?」 「?…⁉…どうしてここに?」「俺の名前は小野江だ。」 この人は、島津だったはず。 「親が離婚して母の旧姓を名乗っている。」 「…。」 少しずつ少しずつ、僕の方へ近づいて来る。 「お前がここにいると狸社長や石原社長に聞いて…ビックリしたよ。」 「何で来たんだよ。」 今さら、なんのようだ。 婚約者がいるくせに。 「…お前がいるからに決まっているだろ。」 「はぁ?関係ないでしょ。」 「関係はある。」 「どうしてあの日逃げた。」 「…。」 「しかも今、自分の体を売るようなことをして。」 「うるさい!」 傷をえぐらないでよ。 「僕は別に今不自由なく生きているんだからいいじゃん‼」 「へぇ。お前は娼婦に成り下がったのか。」 ズキン… 「体を売ることしかできないんだから。αと違って。」 「じゃあ、体…売ってもらうか。」 「やぁっ!…そこ…やッ!あん!…あああっ!」 グチュッグチュッ 指が2本差し込まれ、良いところを擦る。 「ふぁぁっ!…ひろとぉ…も、やぁ!」 「…名前は覚えてたんだな。」 彼の指が更に増える。 「おねがっ…もぉ、入れてぇ…ッ!」 「駄目だ。」 「なんでぇ?…んんッ!」 彼は僕のなかにモノをいれることなく指で僕をイかせた。

ともだちにシェアしよう!