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第5話
たくさんのものを買ってもらって正直、怖い。
捨てられてしまうのではないのかなとか、色々考えてしまう。
(もともと、娼婦だったし、別に捨てられても…。)
「…き、雪。」
「!なっ、なに?」
「他に欲しいものあるか?」
唐突に言われビックリした。
(…今まで、ほとんど誰かと一緒いたから、寂しくなるなぁ。)
「そうだ!ねぇ、ぬいぐるみが欲しい‼」
「?ぬいぐるみ?」
「ふわふわして可愛いうさぎ。」
「本物じゃダメなのか?」
「…育てられないから。」
「…そうか。」
そうしてふわふわのうさぎのぬいぐるみを買ってもらった。
「可愛い。」
ついつい口に出てしまった。
ぎゅーっと抱き締めて頬にふわふわの毛をあてる。
「…うさぎみたいだな。」
そう言った、ひろとの言葉を聞いていなかった。
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