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第3話

「何、どうしたの?お兄ちゃん、さっきから変だよ」 「そうかな・・・気のせいだよ」 視線が宙をさ迷っている。 なんか上の空って感じ。 やっぱ、ヘン。 「自然な未知を撮らせて欲しいんだ。だから、ラフな格好になって欲しい」 「ラフな格好?」 「うん。下着姿で・・・ダメかな・」 「別にいいけど・・・」 お兄ちゃんの頼みなら、仕方ないか。 ちょっと恥ずかしいけど・・・兄弟だし・・・。 まぁ、いっか。 そんな簡単な気持ちで、汗でしっとりと濡れているTシャツと、ジーパンを脱いで、椅子に掛けた。 「さっきみたく、空を見上げて」 「うん」 「お尻・・・もう少し突き出して・・・・そう。すごく、色っぽいよ」 お兄ちゃんの言うがままにポーズを取らされ、数えきれないくらいのシャッター音が響いた。 「今度は、顔だけこっち向けて・・・そう。すごく、可愛いよ」 ファインダ―越しに僕を見詰めるお兄ちゃんの視線が、次第に、熱を帯びていく。 声も何だか、違う。 熱でもあるのかな? 顔が紅潮して、鼻息がさっきより、荒いような・・・。

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