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第1話

「祐太、ご飯食べよー」  教室に入るとすぐに聞きなれた声が、俺を呼ぶ。  俺 、佐崎祐太(ささきゆうた) は、その声の主を見上げる。  そこには、少しつり上がった目が特徴的な長身の男子生徒がいた。 「こっちこっち」  いつも昼食を一緒にとっている斎藤と松岡が手招きをし、俺達を呼ぶ。  入口で俺が教室に戻ってくるのを待っていた男子生徒、紺野沙 (こんのしょう)は、早く行こうと言い、鼻歌交じりに先を歩いていく。 「あらら?」 「な、なにゆえ、席がひとつ足りぬのだっ……!」  斎藤と松岡の元へ行くと、二人やって来たのに、空いた席が一つ。  俺は、四時間目が終わるのとほぼ同時に買いに行ったパン達を落としそうになる。 「すまん、すまん」 「女子に持ってかれてしまったようでな」 「そういや、祐太、筋力つけたいって言ってたよな?」 「え、ああ、まあな」 「ってことは、祐太は空気椅子でよいのでは!?」  それは、いいアイデアだ! だろだろ!? と盛り上がる既に座っている二人に怒りを覚え、パンを抱える手に力が入る。 「祐太、ここ座りなよ」 「ぬおっ!?」  腕を引かれ、座ったのはいつの間にか最後の席に座った紺野の膝の上。 「ちょ、紺野?」 「いーから、いーから」  立ち上がろうにも、腹周りを紺野の腕にしっかりと捕まってしまっている。 「これで、一件落着だな」 「よぉし、食おうぜ!」  みな、それぞれの昼食を広げ食べ始めてしまった。  俺もしぶしぶ購買のパンに食らいつく。 「いつも思うんだけど、祐太、パン二つで足りるの?」  ふと、紺野に訊かれ、口の中にものを含んだまま答える。 「ふあ、ふぁりふふぇど?(ああ、足りるけど?)」 「えー。もうちょっと食べないと背伸びないよ?」 「なんだとぉ!?むしろ、お前が背高すぎなんだよ!」  急いで飲みこみ、 紺野を見上げながら反論する。  紺野は、そんな俺の頭を撫で、頬ずりしてくる。 「そんなことないよ。まあ、祐太小さくて抱きやすいし、可愛いからこのままでいいけどね〜」 「くっそぉ!!」  暴れて紺野から逃れようとするが、体格と筋力の差が明らかにあり、紺野はびくともしない。  実に悔しいこの上ない。  すると、声をかけられる。 「お前らほんと仲いいよなー」 「ほんとほんと」  顔を前に戻すと、斎藤と松岡がにやにやとしていた。 「んなっ!? そんなこ……」 「いいだろー、羨ましいだろー」 と、紺野は茶化す二人にノって自慢する。  言葉を遮られた俺は、そんなやり取りを頬を膨らまして見ながら、二つ目のパンを口へ運んだ。 *** 「ふぅ〜」  足を入れると、湯が湯船から溢れ出て行った。  整った顔立ちとあの長身。そして溢れ出る色気。しかし、どこかミステリアスで、少しただならぬ雰囲気を纏っているため(話してみるといい奴)、女子にも男子にもいろんな意味で一目置かれている紺野。そんなやつといつも一緒にいるのか、最近謎である。  斎藤と松岡とも仲いいが、二年になり初めて話したし、席が近いことで昼食を一緒にとり、冗談を言い合うが、それだけでそれ以上でもない関係だ。放課後などに一緒に遊びへ行ったことは、ないのではないだろうか。  しかし、一年の時、クラスが離れていたにも関わらず、休み時間の度と言って良いほどに、紺野がわざわざ俺の元へと来ていた。去年からよく、遊びへ行ったり、泊まりあったりしている。  前に紺野に 『どうして俺といるんだ?楽しい?』 と、聞いたことがある。 『祐太といるの楽しいよ?』  一緒に居ちゃダメなの?としょんぼりとされたら、罪悪感に似たものが心の中に生まれた。 『い、いや、居ちゃダメってことじゃなくて、その……どうしてなのかなぁ〜と思って……さ!』  キョロキョロと目を泳がせていた俺を見て、やはり信じることができないようだった 。  俺はさらに慌ててあたりを見渡すが、何もなく、あたふたした結果、背伸びをしてよしよしと頭を撫でてやると、紺野は顔を綻ばせた。  自分が誤魔化したと思っていたが、後々考えてみると、紺野になんだがうまく丸め込まれた気もする。  訳は言いたくないようだが、紺野に懐かれているのは間違いない。しかし、紺野は少し見た目で取っ付きにくいところがあるが、一緒にいて楽しい。  ただ、なぜ紺野が目立たない俺なんかに懐いているのが気になるのだ……  ざぶんと音をあげながら、湯船から出る。  寮生活と言う事もあり、シャワーで済ませることが多いが、たまに湯船につかりたくなることがある。  脱衣所へ行き、バスタオルで体を拭いていると、胸のあたりがムズ痒い。  違和感のある部分に目をやると、乳輪がぽってりと赤く腫れていた。  どうしたものかと、そこに触ってみる。 「っひゃっ……!?」  高い少し上ずった声が出る。 「……あっ……ぅ……」  自分に何が起こっているのだろうかと焦り、考えている間にも、両方の乳首を自らの意思に反し、引っ張ったり、乳輪を確かめるようにくるくると触ってしまう。 「……ンッ……っ……ふぁ……!?」  ピュッ、ピュッ  すると、一際大きい何かが込み上げ、乳首から白い液体が出ていた。 「な、何だ……これ……?」 ***  俺はいつものように、購買で買ったパン達を抱え、自動販売機に飲み物を買いに来ていた。  昨日、あのあとから服と乳首が擦れる度反応してしまうようになり、普段の生活に異常をきたしてしまうようになってしまった。どうするか考えているうちに学校へ行く時間になってしまい、応急処置として、とりあえず絆創膏を貼ってみた。  本当は、大きいサイズのものを貼れば乳輪まで隠れていいのだろうが、手元には一般的なサイズの絆創膏しかなく、ムズ痒い。しかし、貼ってあるのとないのでは、まだある方が幾分和らぐので、しぶしぶそれを貼っている。  いつも制服のワイシャツの中にTシャツを着ていたおかげで、絆創膏を貼っていても傍からはいつもと何ら変わりはない。  昨夜の白い液体のにおいを恐る恐る嗅いでみると、生臭く、どうやら母乳のようだった。  女でもないのになぜ母乳が出るのだろうと頭を抱え、考えていると午前の授業が全て終わっていた。  背を伸ばそうと今日から牛乳を買おうとしていたのだが、昨日の今日なので、いつもと同じ野菜ジュースのボタンを押した。  大変な事になってしまったと思いながら、野菜ジュースを取ろうと屈むとため息が漏れた。 「はぁ〜……」 「……祐太?」  すると、声をかけられる。  どこか甘さを含んだこの声は…… 「紺野!」 「遅いから迎えに来ちゃった」  振り返ると予想通りの人物がへらっと笑っていた。  紺野の後ろは、キャッキャッとした女子の集まりがいくつかあるが、いつも通りの光景である。  紺野も無意識にフェロモンを放出して女の子を酔わせている罪な男だと訳もわからないことを一瞬思ってしまうあたり、どうやら俺は疲れているようだ。 「ぬお、わざわざ来てくれたのか。悪いな」 「全然、大丈夫。それよりさ、今日ゲーセン行かない?」 「?」  教室へ並んで向かうと紺野から遊びのお誘いがかかる。 「この前、新しいゲーム機入るって貼り紙あったじゃん? あれ、昨日入ったらしいよ」 「な、なんだって……!?」  一週間ほど前に、駅の近くのゲームセンターに紺野と行った時から気になっていた最新の音楽ゲーム機が導入されただと……!?  今からでも行って、やりたい衝動にかられそうになる。 「どう、行かない?」 「うーん……うぅぅん……」  乳首に異変が起きているのに行っても大丈夫なのだろうか。  だか、待ちに待った新作ゲームをやりたい。  唸りながら思考している俺を、期待と不安の混ざった視線が突き刺してくる。  大き目の絆創膏やら乳輪まで隠せそうなものを買いに行かなくてはならない。そのついでに、ということで行けばいいではないか。よし、そうしよう! 「……よし、行くっ!」 「じゃあ、放課後に行こう!」 「おうよ!」  放課後には新作のゲーム機を体感できると思うと落ち着くことができず、いつも寝ているはずの午後の授業も全て起きていた。 *** 「いやー、実に良い新作だった!またやりに行こうぜっ!!」 「気に入ってもらえて良かった」 「ほんとにありがとな!」  授業が全て終わると早々にゲームセンターへ駆け込んだのだ。  それが、また想像と期待の斜め上のゲームで、俺はゲームセンターを出た今でも興奮したままだ。 「裕太に喜んでもらえてよかったよ……んっ……?」  紺野が急に頬を触りながら立ち止まり、上を見上げる。  それにつられるように立ち止まり、空を見ると、顔に何か冷たいものが落ちてきた。 「……雨……?」 「みたい……」  互いに顔を見合うと、雨足が急に強くなりだした。 「うおっ!? 急に強くなってきたぞ!?」  その場であたふたし始める俺に紺野は、冷静な声で救いの言葉をくれる。 「俺んち、おいでよ」 「おじゃましまーす」  紺野のあとに続いて家にお邪魔する。 「どうぞー。今タオル持ってくるから、上がってて」    靴を脱いでいた紺野がタオルを取りにひとつの部屋に消えてしまう。  わかったと返事をし、俺も靴を脱ぎ、廊下の一番奥の扉へ向かっていく。  その部屋はリビングになっており、 どこもきちんと整理されている。というよりも、必要最低限と言ったようなものしかない。  紺野の両親は共働きで、遅くまで帰ってこないからかもしれない。 「裕太」  名前を呼ばれ、振り返る。  はいと紺野から真っ白な大きめのタオルと俺とは縁のないサイズのTシャツとスウェットのズボンを差し出される。  それを床に鞄を置いてから受け取る。  ……これは緊急事態発生ではないか!?  Tシャツを渡されたということは着替えろと言うことだ。  普段なら紺野の前で着替えるなんて、躊躇うこともなかっただろう。  だが、しかし、今は胸が異常をきたし、絆創膏を貼っているのだ。 「……あ、ありがとう……」 「寒くない? 最近秋っぽくなってきたし。あ、シャワー浴びてきなよ」  そう言いながら、紺野はエアコンを起動させる。  シャ、シャワーだと……!?  まだ胸のむず痒さの原因が解っていないのだ。それなのに服を全て脱ぎ、隠せるものがない、そんな無防備な格好になれるわけが無い。  しかし、エアコンが起動したということは、部屋が暖まり、着替えなくてもいいのではないだろうか……!? 「あ、ああ、大丈夫だ! だから、着替えはいいよ。ここまでしてもらうとなんだか悪いしな」 「でも、風邪ひいたら大変だから着替えた方がいいよ? 制服、乾燥機にかけたいしさ」  なかなかやりおるな、紺野よ……!  うーむ、どうしたものかと目を泳がせている間に近づいてきていた紺野が、手早く俺のワイシャツを脱がし始める。 「ちょ、紺野!」 「もし裕太が風邪ひいて休んだら、俺寂しいな」 「紺野……」  紺野は頭を俯かせる。耳と尻尾もあったら一緒に垂れてそうだ。  そんな紺野に抵抗を緩めた。  すると、止まっていた紺野の手が先程よりも早く俺のワイシャツを脱がす。 「あっ、紺野! てめー!」 「裕太が休んだらほんとに悲しいよ? だから、そうならないように心を鬼にしてる……ん?」 「ぬぁっ!」  再び抵抗したのも虚しく、ワイシャツの中に着ていたTシャツを捲られてしまった。 「み、見んなっ……!」 「……」  下げようとするが、紺野は力を緩めず、じっと俺の胸を見ていた。 「……っう……」  視線が恥ずかしく、目を瞑ってしまう。 「何、これ?」  紺野が片方の絆創膏をゆくっりと剥がしだす。  粘着部分が赤くなっている乳輪を持ち上げながら、じわじわと剥がれていく。 「やっ、あっ……んっ、やめっ」  高い声が口から漏れていく。  そして、絆創膏が全て剥がされてしまった。 「感じたの?」  恥ずかしさで顔が赤くなっているだろう。  俺は違うと横に頭を振る。 「でも、ここはすごい良かったみたい」  そう言いながら、紺野の手が直接乳首に触れてきた。 「あああっ! やっ、こ、んの……っやめ……」  親指と人差し指とでぐにぐにと摘まれたり、指で押しつぶされたりすると力が抜け、崩れ落ちそうになる。   抵抗のために掴んでいた紺野の腕に、さらに力を込めてしまう。 「んんっ、ふぅ……」 「すごぉい……! おっぱいこんなに赤く腫れてきたよ?」  紺野がうっとりとした声で乳首を摘みながら言う。さらに、首元に舌を這わせてくる。時折、チリッと痛みが走る。 「言う、なよぉ……あと、おっぱい言うなぁ!」  生理的に出てきた涙を溜めた目で、紺野をきいっと睨む。 「裕太、ホント可愛い……!」  首元の舌が徐々に下がって行き、乳輪ごと生暖かいものに包まれた。 「ひゃうっ! やめっ、こん……あっ……」  乳首を舌で押しつぶされ、じゅうぅと吸われると足に力が入らず、崩れ落ちそうになるのを紺野が腰を抱き支えてくれる。  「吸っちゃ、やっ、うぅ、んんっ!」  舌から逃げようと背中をそらすと股間に固いものが当たり、起き上がり始めた自分自身に擦りつけているようになる。擦れる度に、自身はさらに股間が熱く固くなっていく。 「あっ、だ、だめ!……っ……で、でちゃうぅ! あぁぁっ!」  吸われ、弄られた乳首から、ついに母乳が噴き出した。  紺野はそれを口で受け止めたのだった。一瞬驚いた表情をしたが、吹き出したものが母乳だとわかると残りを吸い、嚥下する。 「だ、ダメだって! 何かわかんないのに飲むなよ!……あっ……んんっ!」  紺野を剥がそうにも力が入らず、いつの間にか剥がされていたもう片方の乳首にも吸い付かれる。  少しの残りもなく吸い、ちゅぱっと音を立てながら離れる。 「なんで、こんなことするんだよ!」  覚醒しつつある頭に、乱れた呼吸を整え、涙目で紺野を睨みながら抗議する。  しかし、そんな俺を無視し、顔を近づけてきたかと思うと唇を押し付けてきた。舌で俺の唇を割り、口に含んでいたものを器用に流し込んでくる。  すると、口の中に甘い母乳の味が広がっていく。 「むぅ……っは……」  居た堪れない気持ちになり、目を瞑ると溜まっていた涙が、頬を伝い、流れ落ちた。 「他の人にバレたくないよね?」 「うっ……」  唇が離れたかと思うと、下半身のモノを俺のモノに押し付けながら、太ももをさわさわと弄りながら、そう言う。  睨みながら紺野を見ると、整った顔が微笑んでいた。その目は、熱を帯びていた。 *** 「祐太、おしり気持ちいい?」 「あぁっ、あん、うぅ……んんっ……」  紺野の部屋のベッドの上に押し倒され、アナルには紺野の指が出入りをする。  ズボンと下着は取り払われ、床に虚しく散らばっている。  胸の異変を誰かに言われないためには、紺野の言うことを聞かなくてはならない。たとえ、恥ずかしいことでも。  見慣れた部屋で醜態を晒し、ぐちゃにちゃと卑猥な音と自分の喘ぐ声だけが響く。  友人に弄られ声が漏れていることが恥ずかしく感じ、口を手で覆い、抑えようとする。 「あ、手ダメ!」 「んっあ、ああっ、ふぅ……」  手を口に当てていることに気づいた紺野に手を外され、指の間を舐められる。それだけでも、腰のあたりが疼く。  舐められている手に気を向けていたうちに、中に出入りをする指が二本になる。 「うあっ、ん……ぁあ、んんっ」  舌が離れ空を掴む手を、紺野が指を絡ませてくる。快楽に沈んでいくことが怖く、何かに縋り、助けてもらいたい俺もその指に自分の指を絡ませる。 ――ぐぷぷっ、ぬちゃぁ 「ひぃっ! んなっ、に……んぁ、そこ、変……!」  ある一点を紺野の指が擦ると、今までにないほどに電流のようなものが、身体を駆けて行く。 「ここ?」 「んひぁ、あぁっ!」  紺野が見つけた一点を執拗に撫でると、びくっと腰が跳ね、中に入っている指を締め付けてしまう。 「びくびくして可愛いね、祐太」 「はぁっ、あっん……ぬぅぅ……」  つないだ手に力がはいると、俺より大きな手が握り返してくれることに安心してしまう。 「腰、動いてる」 「や、ぁ、いわな、んんっ…で……」 ――ぬちゅ、ぬちゅ 「気持ちいいでしょ?――ねえ、もっと良くなりたくない?」 「…んっ……」   指を引き抜かれ、手を離されると、カチャカチャと音がする。  頭がぼーっとし、身体は火照り気怠いため、音の方に視線だけを移すと、赤黒く反り返ったものが現れる。  紺野はそばに置いていたローションの入った容器を手に取り、それを自分のものに垂らしなじませる。そして、硬いものをアナルに擦り付けた。 「祐太、挿れるよ」 「ちょ、まっ、ああぁっ!……っはぁ…ぅんん…」  掠れた声でそう告げる紺野に、止めるよう言う間もなく紺野のものが、肉壁を無理矢理と割って侵入してくる。  途中まで挿れると、溢れでる先走り汁に濡れた自身を握られる。宥めるように上下に扱かれ、力が抜けると紺野のものが押し進んでくる。 ――ヌプっ、ヌッ、ズププ 「っ、んあぁ…はぁっ、んんっ」 「んっ……見て、祐太。俺の裕太の中に全部入ったよ」  紺野はそううっとりしたように、結合した部分を撫でる。  散々慣らされたため痛みはないが、違和感と圧迫感が強く主張している。 「こ、紺野ぉ、やっぱ無理だよぉ……お腹苦しい……」 「でも、ここもおっぱいも勃ってるよ?」  自身を握られ、乳首を乳輪ごと摘まれる。 「ひゃぅっ…やぁ……あっ」  敏感になった二つを触られ、快感に耐えようと腰を捩るが、紺野の自身を自ら擦りつけ、形を認識してしまい、また腰を捩ると言う悪循環になってしまった。  すると、気を良くしたのか紺野の腰がゆっくりと動きだす。 「あっ、あぁ…っ…ん」  出ていくかと思えばギリギリのところで、また中へと押し戻っていく。  奥を突かれると自身にも痺れが走り、背中が浮く。  摘まれた乳輪は、痛いくらいに赤く腫れあがり、紺野に愛撫される度に疼きが大きくなっていく。 「可愛い……」  火照った体は汗を流し、髪を肌に張り付かせる。  長い指が濡れた前髪を払い、輪郭をなぞるように頬を撫でる。 「ん、男、っが、かわい、て、われても、ふぅ、うれしくな、い、ぁぁっ」 「可愛いよ、ほらこことか美味しそうなくらい――」  そういうと乳首に食らいく。  唇ではむはむと食まれ、じゅうぅっと吸われれば、自身からはさらに先走りが溢れだす。さらに、もう一方に爪を立てられ、ぐりぐりと千切れんばかりに摘ままれると、何が何だか分からなくなり理性が飛んでいく。 「あっ、あぁっ、んぅ……」  するすると乳首を弄んでいた手が下がって行き、自身を掴むとゆるゆると扱いてくる。 紺野のものが、先程見つけた弱い部分を執拗に擦る。すると、きゅうきゅうと中を擦る熱いものを締め付け、腰が自然と淫らに揺らめいていく。  身体中が熱く、疼く。 ――ぐちゅぐちゅ、ぬぷっぬぷっ  中を突くスピードが徐々に上がり、さらに奥を刺激してくる。 「はぁ、んぁ、あっ…、いっ、く、でちゃ…んあぁっ!」  乳首に歯をたて、最奥を抉るように突き上げられた瞬間、全身に電流が走り、精液が自分と覆い被さるようにしていた紺野の腹を汚した。  紺野自身も脈打ち、中に熱い液体が叩きつけられる。 「はぁ…はぁ……ぅんんっ!」  やはり、乳首からは母乳が吹き出し、残留をも飲み下そうとちゅうちゅうと吸われる。 「こん、のっ、だから…ぁう、のむな、ぁあっ…よぉ」  紺野の頭を剥がそうとするが、力が入らず、ビクともしない。剥がそうとしている間に両方の母乳を吸い出されてしまった。 「…祐太……んっ」  母乳を嚥下すると、両手で俺の顔を包み、唇を合わせてくる。  はくはくとした息のままキスに応えると、体内に入ったままのものが、また頭を持ち上げた。

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