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第2話

 太陽が顔を見せ、晴れた空が広がっている。  教室には次々と生徒が登校してくる。既に教室にいた者と挨拶を交わし、週末の出来事で賑わっていく。  そんな中、俺は窓際よりの列の後ろ側の自分の席に座り、真っ白な課題を広げ、頭を抱えていた。 「よぉ、佐崎。おはよ」  机の脇を通る松岡に声をかけられる。 「んぎゃ!…ま、松岡……お、おはよう!」 「そんなビックリすることないだろー」 「すまん、考えことしててな」  松岡はわざとむぅっとする。  それをわざとらしく宥める。 「あ、俺今週、週番だったわ! めんどくせぇ」  クシャっと後ろ髪を掻き、じゃあ、そういう訳でと爽やかスマイルを残し去っていってしまった。  相変わらず爽やかだ、そして、課題見せてくれないんだな、ははっと思うのはほんの一瞬。一人になるとまた頭を抱える。  傍から見れば課題が手に負えず悩んでいるただの男子高校生にしか見えない。  本当は乳首から母乳が出て、それを友達に見つかってしまい、そのあとも色々あり、友達とどう接していいのか、誰にもばらされないだろうかなどと悩んでいるただならぬ男子高校生だった。 ***  ベッドへ押し倒されてから時間が過ぎ、辺りは闇に包まれてしまった。  頭の中は真っ白で紺野の愛撫を受け、快楽を追い始めていた。  すると、ガチャリと玄関が開く音がした。  その音に我に返り、居たたまれない気持ちがこみ上げてくる。 「っ!……誰か帰ってきたぞ?」 「この時間だと母さんだよ」  動きを止めた紺野は机の上にあるデジタル時計に目をやり、なんでもないように答える。 「大丈夫だって。絶対に入ってこないから」  確かに今まで遊びにきていた時、紺野の母親は一回も部屋に入ってきたことが無かった。  しかし、今日はたまたま入って来るかもしれないという可能性が完全に拭えない。 「で、でも……」 「そんなことより、さっ」  入ったままの熱い紺野のものがいいところを抉るように突き上げる。 「あ、あ、あぅ…ひぁっ、んん」  つい先程まで快楽に浸っていた身体は肉棒が出入りし、乳輪ごとむぎゅっと摘まれれば、すぐ蕩けていく。同じ屋根の下に紺野の母親がいることも忘れて、どんどん快楽の中へ沈んでいった。  ハッと目を覚ますと、規則正しい呼吸をしている紺野の顔。慌てて起き上がり、自分の身体を見ると裸であったが、綺麗になっていた。時計は、四時半。  整っている顔は起きている時と変わらないが、どこか眠っている顔は可愛いなと見入ってしまう。  ベッドから抜け出し、紺野に布団をかけ直す。壁に吊るされ干されてあった半乾きの制服を身に付け、ドアに手を伸ばす。紺野の方を振り返るが、夢の中にいるようだ。そろりそろりと音を立てずに紺野家からでる。  寮へ帰ると緊張が解けたため、腰痛が酷く感じた。  幸い紺野の家へ行った日は金曜日だったため、土日のうちに腰痛は和らいだ。  しかし、胸の異変は酷さを増したままであった。  より敏感になり、母乳を出すだけでなく、オナニーしなくては体の熱が収まらなくなってしまった。そして、胸に触れなくても疼き熱を帯びるようになってしまっていた。 ***  ぼーっとシャーペンの芯をカチカチと出し続けていると肩を叩かれる。  「おはよう」 「ぬわぁうぇいっ!! こ、紺野!」  ビックリし、椅子から転げ落ちそうになる。 「起きたら居なくてビックリし……うわっ」  普段通りの笑みを浮かべる紺野の話を遮り、腕を掴み、教室を出る。 「どこ行くの?」 「とりあえず、引っ張られててくれ」  その後は何も言わない紺野を特別教室棟の階段下に連れてきた。  目の前にいる友人としてしまったと改めて思うと恥ずかしさが込み上げ、俯いてしまう。しかし、ここまで連れてきて何でもないと言えないし、なにより、誰かに話さないかということが心配だ。意を決して、すこし上ずった声を出す。 「その……あ、あのこと…だ、誰にも言わないよな!?」 「大丈夫、誰にも言わない」  見上げると、微笑む紺野。  それでも信じられず、一歩踏み出し、問う。 「本当の本当の本当か?」 「本当の本当の本当」  じーっと紺野の目を見、大丈夫だと悟る。 「ところで、腰大丈夫?」 「今はもう大丈夫だけど、この土日はつらかった……」  殆どを布団で過ごし、トイレなどに起き上がると老人のように前屈みになりながら過ごした二日間をしみじみと思い出しながら言う。 「なら、良かった。今日来なかったらどうしようかと思ってたんだ」  「皆勤賞狙ってるからな!」 「きゃー裕太頼もしいっ!」  腰に手を付けて胸を張ると、紺野が手を合わせ、首を傾げる。  すると、チャイムがホームルーム五分前を告げる。 「もうこんな時間かー、裕太教室戻ろう」  踵を返し、教室へ向かおうと一歩前へ踏み出した紺野の腕を掴む。 「か、課題写させて……」  紺野に課題を借り、何とか一時間目前までに写し終え、提出することができた。 ***  二時間目が授業を終え、トイレへと行く。 時間割よりも三分ほど早く終わったため、誰も人がいない中、用を足す。  スッキリし、次の授業は何だったかとぼんやり考えながら手を洗っていると、乳首に疼く異変を感じた。 「…んっ…」  異変を確かめるべく、服をたくし上げようと手を服にかけたその時。 「よお、佐崎じゃん!」 「お前もトイレか!?」  ビクリと肩を震わせ、後ろを振り向くと松岡と斎藤がいた。  「あ、あぁ……さっきの時間、ちょっと我慢しててさ」  慌てて手を下ろしながら笑顔を作り、少しうわずった声で答える。 「じゃあ、俺は済んだから」  笑顔を崩さずに足早に、おうという二人の声を後ろに聞きながら、そこから立ち去る。  危ない危ない、これ以上人に知られてはやばいぞ。ふう、変な汗を掻いてしまった。  頭を冷やすように、少し俯きかげんで早歩きで教室に戻る。  賑わい始めた廊下を歩いている頃には、胸の異変がどこかへ行ってしまっていた。 *** 「なあ、次って体育だったよな?」  号令の後、机の上を片付けながら隣の席の紺野に訊く。 「うん。そうだよ」 「おーい、佐崎、紺野! 行くぞー!」  授業が終わったと机で一息つく間もなく、既に廊下にいた斎藤に呼ばれた。  本日最後の授業は体育。  時間割に変更があったとしても、月曜の最後に体育とは酷な時間割である。 「わりぃ、今行くー!」 「おー」  机の横からジャージの入ったビニール袋(スポーツ用品店で買い物したときの)を手に、紺野と共に急いで廊下へ行く。  教室に俺と紺野を含め五、六人の男子しか残っていなかったようだ。  女子は教室、一階の更衣室は男子と決まっているのだ。  他愛もない話をしながら、賑わっている廊下を歩いていると、突然胸に異変を感じた。 「…っん……」  こ、これはまずい……!  体育どころではない!  階段の途中で降りるのをやめ、ジャージの入った袋を抱きしめ、俯き、胸の疼きを堪える。  これから、どうしようかと模索していると、先程まで並んで歩いていた紺野が、隣に俺がいないことに気づき、振り向いた。  その間にも松岡と斎藤はどんどん先へ行ってしまう。 「具合いでも悪い?」 「…ちがう……」  数段降りた場所で問う紺野に、小さな声と首を振り答える。  傍を人が行き来をしていく。  そんな中、どうやって紺野にこの状況を伝えようか目を泳がせていると、肩に手を置かれる。 「具合悪いの?」 「顔色良くないよ?」  二人の女子が、声をかけてくれたのだった。 「保健室行った方がいいよ」  背中に手を添えられ、敏感になった身体はびくりと跳ね上がった。  ジャージの入った袋を抱く力が強くなる。  女の子に触られるのは嬉しいけど、今はやめてくれ!  ああ、こんな可愛い子二人が自分の事を心配しているのに、なのに俺はタイミングが悪いんだから!  今度、本当に具合が悪いときに心配しておくれ!! あ、でも今も具合悪いに入るのか? 「俺が連れてくから、行っていいよ」  俺は、いつの間にか近くにいた紺野に引き寄せられた。油断していたせいで、少しよろめき、紺野に寄りかかってしまう。 「え……あ、うん……」  いつもより声のトーンを低くしたため、女子が怯んでしまった。  紺野は、女子に対していつもこうだ。ある程度は愛想良くするが、一線を引いて接している……気がする。俺はだけど。  フェロモン分泌しまくりで、顔もいいのに、全く損している。  モテたくてもモテない奴がいるんだぞ!俺とか! 「吉田! 俺、裕太のこと保健室に連れてくから、先生に言っといて」 「うん、わかった! 言っとくね」  早く着替えが終わり、横を通ったクラスメイトの女子に紺野がそう言うと、お大事にと去っていった。 「よろしく! ……と言うわけで、俺がみるから。次の授業もあるし、早く行った方がいいよ」  にこっと微笑み、少し威圧的な雰囲気を出すと、女子二人は小さく頷き、去っていった。 「裕太、大丈夫? どうしたの?」  心配そうな顔をした紺野が、未だに俯いている俺を覗き込む。 「とりあえず、保健室行こう?」 「……い、やだ…」 「…しょうがないなー……よいしょ、っと」 「えっ、ちょ、まっ…んっ…」  いきなり、足を捕まれた。そして、紺野の背中にへと引っ張られると、反射的に首へ腕を回してしった。  つまり、紺野におんぶされている形になったのだった。 「しっかり、掴まってて」  俺を軽々と背負った紺野は、生徒が注目する中、何でもないように歩いていく。  歩く度に身体が揺れ、紺野の背中と乳首が擦れる。  しかし、多くの生徒の視線が集まる前で、声を出すわけにはいかない。  下唇を噛み、少しでも揺れが無くなるよう首に回した腕の力を強める。 「……っう…ぁっ…」  しかし、敏感になった乳首はわずかな揺れでも感じてしまう。  そんな自分がみじめで涙が出そうになるのを、目をきつく瞑ってやり過ごす。 ***  ガラリとドアが開く音がした。  目を開くとそこは、いくつかのロッカーが並び、中央に長椅子が置いてあった。どうやら、部室棟の一部屋のようだ。 「…んしょ」  中に入ると、紺野が内側から鍵をかける。そして、長椅子に薄っすらかかった埃を払い、そこに俺を座らせる。 「紺野、ここは?」 「部室棟の空き部屋だよ。ここだけ、いつも鍵かけ忘れて、開いてるんだよねー」  なんて言う紺野は、部員数の少ないバスケ部の助っ人として、試合に出ることがある。さすが、高身長。別に、悔しくなんかないぞ。悔しくなんか……! 「それで、どうしたの?」  隣に座った紺野の声が、やけに耳にかかる。 「うっ…い、いや、その……」 「うん?」  紺野の手が、俺の背中を優しく撫でる。  普通ならこれで落ち着くのだろうが、さっきの女の子の時も然り、今の俺は身体をビクつかせてしまうだけだ。 「…ふぅ……っ…」  紺野はすでに、俺の胸の異変について知っていることだし、こんな変な反応をしては、ばれてしまうのは時間の問題だろう。 「紺野……絶対笑うなよ……?」 「うん……?」  小首を傾げる紺野を向き直り、唾を飲みこみ、意を決す。 「だ、だから、その…それで、今もツラいんだよ…」  紺野が俺の胸の異変を知っているとしても、説明するのは恥ずかしい。どうも、声が裏返りそうになってしまったり、もじもじしているようになってしまったりする。 「そっか……」 「でも、ぼ、母乳的な液体が出るようになったのは、紺野のせいじゃないし、さ――」  責めるつもりで言ったわけではないのだが、なんだか自分が紺野を責めている気になる。  それ以上何も言わない紺野が不安になり、そうしたらいいのかあたふたしていると、突然手首を掴まれる。 「…じゃあさ。今、俺が直してあげるよ」 「え? …ちょ、うわっ!」  掴まれた手首を引かれ、紺野の膝の上に向かい合うよう座らせられる。  逃げようとしても、あまり力の入らないというのに、ただでさえ俺よりも力のある紺野に固定されているため、全く叶わない。  紺野の片手が、するすると身体を這っていく。すぐに胸の突起を見つけ、ワイシャツごと親指と人差し指でコリコリと摘まむ。 「ひっ…やめ、こん…あぅ…っ」  せめてもの抵抗と紺野の腕をつかむ。 「祐太、もう、こんなになってるよ?」  俺が抵抗できないのを良いことに、手早くワイシャツのボタンを外していく。  胸に貼ってある絆創膏をぺりっと剥がされると、びくつき、紺野の腕をつかんでいた手に力が入る。  隠れるものが無くなった乳首は、乳輪と共にぽってりと赤く脹れていた。 「わ、おっぱいすごい……!」 「…っぅ……」  それを見ると、紺野は感嘆の声をあげる。  俺は恥ずかしさから目を逸らす。  数日前紺野に散々弄られ、今日は二回も疼きを我慢したのだ。前回よりも色づき、肥大していてもおかしくはない。  その片方を引っ張り、グニグニ潰すようにされる。もう一方は、生温かい口内で水音をたてながら、弄ばれる。  そうされていくうちに、どんどん下腹部に熱が集まっていく。 「あっ、もしかして、さっきおんぶしてた時も感じてた?」  図星を言われ、肩を少し震わせたが、恥ずかしさが勝り、首を横に振る。 「嘘はだめだよ。具合悪いからと思ってたけど、ほんとは乳首擦れて感じてたんでしょ? ……祐太のい、ん、ら、ん――」  紺野の声と息が耳にかかり、身体が竦む。その油断した間に、いつの間にかズボンの前を開かれ、自身をギュッと捕らえられる。  その手を離させようとするが、力が一向にはいらない。 「ち、がうって、っあ…あうっ」 「祐太は嘘ばっかり言うんだから。上も下もこんなに濡らしてるくせにさ」  そう言いながら、自身と乳首を強く摘ままれる。 「あ、んぅ…そ、んな、っ、こと…んふぁ」  反った喉元に一つ口づけ、摘ままれていない乳首を抉るように一舐めされる。  自身は強弱をつけながら扱かれ、先端から先走った淫汁が垂れ始める。  頭の中がどんどん白に侵食され、ふわふわとしていく。  身体を紺野に預けると、胸をまさぐっていた手が口元へとやってくる。  下唇をやわやわと摘ままれると、その指に舌を這わさせていた。それを合図のように、指が口腔へ侵入し、中をぐちゅぐちゅと弄ぶ。 「ふぅ、ん…んむ、ぁう…ふ」  口から出て行った三本の指と舌の間に、ねっとりとした糸がひいた。  唾液でテラテラと光る指は、下へ下へと下がり、垂れた先走りで少し濡れたアナの元へと行く。  アナルを何度か撫でると、一本の指が入っていく。  その衝撃に耐えられず、上半身を紺野に預けた。 「んんっ、ぁっ……あああっ!…ぅう」 ――ぬぷ、ぬっぷ、ぬっぷ  指がゆっくりと出入りしている間にも、自身はわざと親指に力を入れ、カリに当たるように上下に動いている。  慣れてくると、さらにもう一本アナの中へ侵入してくる。 「祐太…そろそろ、これ入れて欲しくない?」  下から自身に擦り当てられたのは、紺野の自身。  制服の狭い中で大きく主張し、テントを張っている。  数日前に、これが自分の中に入っていたことを思い出すと、さらに体温が上がり、欲しさゆえに身震いをしてしまう。 「ねえ、欲しいでしょ――?」  熱に浮かされた脳・身体は、紺野の自身を欲するように腰を動かしていた。 *** 「…っんむ、ふぅ、ん、ふぁ、むぅ…」  ベンチに座る紺野の前に全裸で膝をつき、紺野の勃ち上がったモノを咥える。  そんな俺の髪に指を絡ませ、よしよしと撫でる紺野の手が心地よい。 「…ぁ…っぅ…」  初めての行為は拙いが、紺野から小さな呻き声が聞こえると嬉しくなり、もっと聞きたいと愛撫をできる限り、激しくする。 ――ジュプジュプ  男臭いモノを舐め、しゃぶり、食めば、俺の自身からは体液が溢れだし、アナルはひくひくと開閉し疼く。  生理的に出てきた涙で濡れた目を紺野の顔に向ける。 「そんな可愛い顔は反則でしょ…」  見上げた紺野の目はギラギラとしていた。  その目に捕らわれたように、絡まった視線を外せなくなる。 「裕太、さっきみたいに俺の膝に座って」  優しく促す声に従い、紺野の膝に座る。 「んっ、はぁ…あうっ、んんっ」  膝立ちをさせられると、ついさっきまで口に含んでいた硬くて熱い肉棒がアナルへあてがわれる。  解されたアナルは、紺野の自身を難なく受け入れていく。 ――ズブッ、ズププっ  腰を掴まれ、ゆっくりと座らせられる。 「んっ…祐太の中すごい…!」 「ふぁ、うっ…あぁっ」  全てを飲みこむと、ゆっくりと中を掻き混ぜるように腰を動かされる。そして、下から突き上げるような律動に変わる。  自分の体重の分より深く紺野の屹立が出入りし、弱いところを執拗に擦りあげられる。  突き上げられる度に、背中を電気にも似た快感が走り抜け、目の前は涙のせいか霞む。 「あぅ、ぁひぃ、こ、こん…の…胸、あっ、むねぇ、あんっ」  本日二回も堪えた胸は、すでに少量の母乳を垂らした。しかし、まだまだ胸の痛いくらいの疼きは消えそうにもない。  そこへ紺野の頭を力のほとんど入らない手で導くと、紺野は円を描くように一舐めしてから、乳輪ごと淫らな音をたてながら口に含まれる。 「んひぃ、うぁ、ああっ」 「祐太は、これから他の奴にもこうやってお願いするの?」 「えっ、あぅ、ど、いう、んんっ、こと…ひゃっあぁ」  硬く勃ち上った乳首を噛まれ、胸からはピュッと母乳が噴き出す。 「俺、誰にも言わないから、また祐太がこうなったら手伝うから……だから、俺以外に頼らないで。俺を頼って――」  律動をやめ、俺を抱きしめる紺野は、首元にぐりぐりと顔を摺り寄せて表情は窺えない。声はどこか辛そうで、切なそうだ。  よしよしと頭を撫でると、中にいる紺野の自身がびくりとし、大きくなった。  すると、突き上げが再開した。その動きは、答えを催促しているよう。 「あ、あっ…んんっ…わかっ、た…わかったから…も、イくぅ…」  抱き締められているため、紺野の腹筋に自身が擦れ、さらに快感が増える。  視界はチカチカとし、聴覚は結合部分から聞こえる水音が犯す。  快楽に耐えるように、紺野の頭を抱きしめてしまう。  さらに、動きは激しくなる。その一因は、自らの腰も動いているのもあった。 「は、はげしっ……あっ、んひっ…イく、イくぅぅ……ふぁぁあああ」  首に感じたチクリとした痛みと、奥深くをガツンと抉るように突き上げられたのが引き金となり、胸と自身から白い体液を噴き出した。 「っつう……」  絶頂の時にキュウっと締まったアナルの中に、紺野は精を吐きだしていた。 「はぁ、は……あつい…んあっ…」  脱力した身体は紺野に任せ、鉛と化したかと思うほど重い瞼はゆっくりと閉じた。 *** 「…ん~…アンパン……」  目の前に大好きなアンパンの山があり、その一つを頬張ろうとしようとしたのだが、紺野もアンパンが好きだったと思いだし、紺野を探そうと立ったら、目の前が一瞬真っ暗になったのだ。  そして、次に目の前に現れたのは、紺野の後頭部。 「あ、祐太起きた?」 「え…あ、ああ」  どうやら、また紺野におんぶされているらしい。 「アンパンがどうとか言ってたけど、どうかした?」 「アンパンの山が目の前にあって――ってもしかして、夢!?」  あたりを見渡すが、どこにもアンパンはない。  見えるのは寮までの馴染みの道。 「アンパン……俺のアンパン…食べたかった……」 「え、もしかして、祐太泣いてるの?」 「うぅ……アンパン……」  紺野のワイシャツをギュッと握り、アンパンがないことに悔しむ。 「そうだ! 明日、買ってきてあげるから、泣かないで」  ね、よしよしとまるで子供をあやす様な声で言われる。 「うん……絶対だぞ!」 「了解! とりあえず、今日は部屋でゆっくりしてよ。よーし、寮まで走るぞー!」  急に走り出したため、仰け反り落ちかけるのをなんとか耐える。  涼しい風がそよぎ、空はオレンジが紺に浸食されていた。 

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