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第19話 逢瀬の終わりに 1
ー 逢瀬の終わりに 1 ー
渡月橋の駐車場で宿から迎えの車に乗り換える。
暗い道を登って行くとやがて宿の冠木門をくぐった。
夕方にもうチェックインは済ませたと言う真名彦は、
仄かな香の炊かれたフロントを通りスタッフの案内を断って路地に沿って俺を連れて行く。
庭木の間を足元の灯りに導かれて歩いて行くと、やがて門灯のついたわは玄関にたどり着いた。
古風な日本風の建物の中はモダンに改装されていて、とても良い香りが空間に香っていた。
玄関で下駄を脱ぐと、
後から上がった真名彦が座って俺の浴衣を捲り足を抱えると親指と人差し指の間をしげしげと眺める。
「 少し紅くなってるな
痛くはないのか?」
指の股を軽く押すように触るので、
「 汚いから、ダメ、離せ 」
と慌てる俺の首に腕を回し思わず前のめりになって真名彦に覆いかぶさる俺の唇を塞ぐ。
唇を熱い舌ですっと履かれるともうたまらなかった。
「 俺、汗かいてるから 」
と掠れる声で伝えながら、しゃがんで真名彦にかぶりつく。そして帯の回った腰をしっかりと抱かれると浅ましい思いで頭が沸騰する。
真名彦の頭を抱えこみ思いの丈の口付けを返す。
玄関の仄かな灯りの中で、唇を深く合せる湿った音が密やかに流れる。
性急すぎて息苦しくなって離れた隙間から、
「 風呂に入ろう 」
と紡がれた言葉、引かれる手のままに浴場に向かった。
帯がとかれ浴衣が檜の香り高い洗い場に落とされる、脱がされた下着ごと足元から脱衣所に真名彦の足で払われる。
一部の隙もなく抱き合ったまま天井からシャワーを浴びる。
細かな霧のように落ちてくるシャワーの下、お互い触っていないところを探すように手を這わす。
肩甲骨からミストと共に降りてくる真名彦の指。背骨を履い尻の割れ目に両手の指が忍び込む。
二本の人差し指で開かれたそこは
背中きら尻の高みを辿り割目に滴る湯よりも先に濡れていた。
身体を洗うのももどかしく求められる身体はもうたっぷりと愛欲に塗れる。
程よく疲れた身体は正直に真名彦の全ての行為を受け入れた
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