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第8話
結局、校内の人気のないところへ逃げ回り、昼ご飯も食いはぐれてしまった。
教室に戻れば、一回も話したことがないクラスメイトまで寄ってきて、質問攻めだ。どうして凛哉と知り合ったのかだとか、カエルってあだ名なのとか、姉ちゃんがファンだからサインもらってくれないかだとか、一躍時の人だ。
だけど、俺自身、なんで凛哉に探されていたかなんて見当もつかないし、彼にサインをねだれるような仲ではない。なんたってヤリ捨てられただけの関係なんだから。
本当に友達関係などであれば、鼻高々と自慢をする場面であるが、結局は要領を得ず、「あー」とか「うー」とか唸っているうちに、幸いにも授業が始まってくれた。
そして放課後、またクラスメイトたちに囲まれる前に急いで帰ろうと俺は決意した。
ホームルームが終わると同時に、俺は鞄を掴んで立ち上がる。教室の後ろのドアを目指して駆け出すと、俺が触れるより先に扉が開いた。そしてそこに仁王立ちしていたのは――
「ひーろぽん。お話ししましょー」
にこやかな笑みを称えた佐巻さんだった。
「ヒィィィィィィっ!」
「女の子に対してその悲鳴はなによ?え?」
「あう、あう、ち、違うんですぅぅ…!俺じゃないんですぅ…!」
「詳しく聞くからこっち来な」
がっしりと腕を掴まれ、俺はずるずると引きずられるように佐巻さんに連行されていった。さっきまで俺に近寄ろうとしていたはずのクラスメイト達は、しっかりはっきり一歩引いて俺に憐憫の目を向けていた。
以前も佐巻さんと二人で話した体育館そばのベンチに座らされた。
幸か不幸か、他のリノタのメンバーはいなかった。複数の女子に囲まれるのは本当に怖かったのだ。しかし、一人きりではあれど今の佐巻さんも十二分に怖い。
「凛哉のお相手、あんただったってねぇ?」
自分は立ったまま両腕を組み、俺を見下ろすようにして佐巻さんは尋ねてくる。
なんだか言い方が悪い。お相手って。確かに、探されていたのは俺だったようだけど。
「でもでも、俺、あれ以来もう近寄ろうなんてしてないし、思ってもないし!」
俺は必死に言いつのった。嘘じゃない。それは佐巻さんも分かってはいるようで、ぎゅっと彼女の眉間に縦皺が刻まれた。
「………じゃあなんで、わざわざあんたのこと探してたのよ!」
ぐわしっ!と、顎を掴まれた。
「知りまふぇん…!」
両頬をつぶされてタコみたいな口になりながら、そう言うしかなかった。だって知らないのだから。
このまま、佐巻さんにタコ殴りにされてしまうのだろうか。助けて志水―!!
「ごめんなふぁいぃぃ……」
顔を掴まれたままべそべそとしていると、パッと手が離され、佐巻さんがどすんと隣に座った。
ちらりとそちらを伺えば、佐巻さんは不貞腐れた顔で怒鳴った。
「もー!あたしがいじめてるみたいじゃない!」
俺としては実際いじめられている気持ちだったのだが、違うのか。思ったが、じろりと睨まれて口を噤んだ。
「カエル先輩ってあんたのことでしょ?」
「あ、うん、今日そうやって呼ばれた」
「凛哉、なんでかあんたと親しくなりたいって言ってた」
「ええ!?」
なんでだ。あの凛哉の恋人面困る発言以来、まったく接点はないのに。むしろあの時、忘れてと告げてきたのは凛哉の方だというのに。
もしかして、凛哉、あの後、俺とセックスしたこと思い出したのかな。それで、俺のこと気になったのか、わざわざ探し回るほどに。
「俺、モテ期来ちゃったのかな!?」
「あぁん?」
「冗談ですごめんなさい調子乗りました」
速攻で頭を下げたが、頭の片隅ではその可能性を捨てきれていない。どうしよう、志水もだし、凛哉もだし、モテモテじゃん、俺。男ばっかだけど。
「あたし、明日からあんたのとこ行くから」
「えっ?」
顔をあげると、眼前に指を突き付けられた。
「凛哉にはついてくるなって言われたけど、あたしが先回りしてあんたのとこに行く分には問題ないでしょ?」
「え、あ、はい…」
「凛哉と二人きりなんて絶対させないからね」
「はい……」
ビビりながらも、殺される心配はなくなったことに安堵し、俺はこくこくと頷くしかなかった。佐巻さんは満足げにしていた。
佐巻さんは有言実行の人である。翌日昼休み、本当に俺のところへやってきた。
三年の教室にまったく臆することなく入ってきた佐巻さんは、今日も休みの志水の席に勝手に座ってしまった。
「ほ、ほんとに来たんだ…」
「いったでしょ。先回りしてやるって。凛哉、やっぱりこっち向かってるっぽいし」
凛哉、今日も来てるんだ。で、こっちに向かってきていると。
なんだかんだ、佐巻さんが来てくれてよかったのかもしれない。クラスメイトは佐巻さんに恐れをなして近づいてこないし、凛哉と二人きりになるのも、なんだか緊張するし。
昨日同様、廊下が騒がしくなり、教室のドアが開かれた。
キラキラしいオーラをまとった凛哉がひょっこりと顔を覗かせ、俺を認めるやにこっと笑った。
「カエルせんぱーい。ごはん一緒食べよ」
うっ!まぶしい!
遠慮なく俺によって来る凛哉に、俺は目を眇めた。かっこいい、輝いている、恐ろしい、芸能人。
「あれ?茉莉 、なんでいるの?」
まり?
凛哉の視線を追えば、佐巻さんにかち合った。なるほど、佐巻さんの下の名前は茉莉というのか。佐巻さんはぱっと顔を華やがせた。いつも俺に見せる怖さなど微塵もない、かわいらしい顔は別人かと思えるほどだ。
「凛哉、偶然だねー。あたしもひろぽんと一緒にご飯食べようとしてたところなんだぁ」
白々しくのたまう佐巻さん。
「ひろぽん?」
「そ、ひろぽん。お友達なの」
でこでこした爪で俺を指さす佐巻さん。凛哉が確かめるように見てきたので、俺はぶんぶんと必死に頷いた。
「そうそう、佐巻さんとご飯食べるとこだから!」
「そうなんだ。どういうつながり?」
凛哉関係で締めた人と締められた人です。とは言えるわけもなく、もちろん佐巻さんもそんなこと言うわけもなく、微笑んだまま「友達の先輩の友達のいとこの友達の弟の知り合い」なんて、聞き返されたら二度と同じことを言えそうもない間柄を告げた。凛哉も深く気にしていないようで、ふぅん、と納得してしまった。
「じゃ、三人でご飯行こ。ダメ?今日、おべんといっぱいもらったから持ってきたんだけど」
凛哉は右手を掲げて見せた。そこには紙袋がぶら下がっている。そのロゴを見て、俺は目を輝かせた。
「じゅ、寿々苑の焼肉弁当!」
高級焼肉店のお弁当だ。よくテレビとかで芸能人が差し入れしたりするって紹介されているやつ。もちろん俺は食べたことなんてない。
「そー、寿々苑。食べる?」
「食べるぅー!」
俺はこくこくこくこくと壊れた人形のように頷き続けた。なんだかほんのり匂いもする。焼肉の匂い。おいしそう!
「じゃ、外いこーよ。ここ騒がしいし。たくさんあるから、茉莉の分もあるよ」
くるりと踵を返す凛哉に、俺はついていこうといそいそと立ち上がった。佐巻さんも「わーい」なんて言いながら、俺の後ろをついてきていた…かと思いきや、グイっと襟首を後ろから引っ張られた。
「ぐぇ…っ」
「……必要以上に凛哉に近寄らないこと」
「は、はい……」
俺はさっと一歩引いて、凛哉とその隣を行く佐巻さんの後ろを歩いたのだった。
「ここ穴場~。俺のおさぼりスポット。茉莉、他の子には内緒ね」
「うんっ!絶対絶対言わないから大丈夫!」
佐巻さんは頬を染めて心底嬉しそうに頷いている。二人きりの秘密(俺もいるけど)。そりゃあ嬉しいだろう。
そして俺もまた、顔を熱くしていた。
辿りついたのは、使われていない旧校舎の特別教室――凛哉と出会ってあれやこれやした場所だったのだ。どうにもいたたまれなく、視線をさまよわせていると、凛哉があ、と声を上げた。
何事かと見れば、ばちっと視線がかみ合った。
「思い出した!カエル先輩って、ここで俺と――…」
「ワ――ッ!はやくお弁当食べたーいっ!」
俺は凛哉の声を遮るように大声で叫び、数個積み上げられていた机をわざとがたがた音を立てさせて二人の前に運んだ。
「ちょっと、ひろぽんうるさい」
「ごめんごめん……」
形ばかり佐巻さんに謝り、ちらりと凛哉を伺えば、もう口は閉ざしてくれたが、にやりと笑っていた。
どういう顔なんだろう。というか、たった今、ここでやった相手が俺だと思い出したということだよな。俺を探していたのは、セックスしたことを思い出して、俺を忘れられなくて探していたんだと思ってたんだけど。違うなら、一体どういうつもりなんだろうか。俺にほの字じゃないの?
凛哉の考えはわからないが、弁当に罪はない。
佐巻さんに席を決められ、佐巻さんの前、凛哉のはす向かいに腰を下ろした俺は、差し出された弁当を受け取って開いた。その瞬間、猜疑心はしゅっと心の奥に引っ込んだ。
白米の上に焼肉がのせられたシンプルな弁当。だがそれがいい!
「いただきまーすっ!」
「どーぞ」
パクリと口に含めば、お肉が溶けて、たれの甘みが口いっぱい広がった。
「んんーっ!んまっ!んーまい!お肉やらかぁい!たれおいひぃ!」
こんなおいしいもの食べれるなんて幸せ。
もぐもぐと夢中で食べていると、ぶはっと噴き出す声が聞こえた。見れば、凛哉がくつくつ笑っていて、佐巻さんはどこか呆れた顔をしている。
「え、な、なに…?おいしくない?」
もしや、二人の口には合わないのだろうか。
しかし、凛哉はにっこり笑って、頷いた。
「いやいや、おいしいねぇ」
だよね。
「うん、おいしい!ね、佐巻さん!」
俺は大きく頷いて、目の前の佐巻さんにも意見を求めた。佐巻さんはなおも脱力したような顔で「そーね」とだけ呟いた。
「こういうとこなのかなぁ……ねぇ、カエル先輩」
「へっ!?」
突如、凛哉が手を伸ばし、弁当を掻き込む俺の右腕をとった。驚きに箸を落としそうになるのをなんとかこらえれば、凛哉が首を傾げて見せた。
「俺、もっとカエル先輩と仲良くなりたいなぁ」
「ふぇっ、ふぇっそ、え、えっ」
キラキラした笑顔でそんなことを告げられ、俺は脳みそが沸騰しそうなほど顔を熱くした。
え、俺、口説かれてる!?
握られた手が熱く、まぶしい笑顔を直視できず、パニックになりながら助けを求めるように佐巻さんを見て、俺は後悔した。死ぬかと思った。佐巻さんの怒りが頂点に達している。視線だけで殺される!
そんな佐巻さんに気づいているのかいないのか、凛哉はマイペースだ。
「そうだ!連絡先教えて?」
いやダメです、これ以上は、俺の命の保証がない。
「ね?」
ねだるように上目遣いに見られ、俺の心臓は跳ね上がった。
「ハイヨロコンデー!」
あああ、俺のバカ。もう佐巻さんの方は見ずとも、怒りのオーラが感じられる。しかし、こんな美形の芸能人様様に、俺はノーなんて言えないのだ。
チクチクとした佐巻さんの視線を感じながらも、俺はふわふわと夢見心地のまま凛哉と連絡先の交換をした。
すげー、すげー、芸能人の連絡先ゲットしちゃったよ!
早く志水に自慢しないと、と思った時点で、はっと気づいた。凛哉に口説かれているだなんて、志水に言えるわけもない。志水は凛哉を毛嫌いしているみたいだし、その、俺のことが好きなんだし。好きな相手が別の人に言い寄られているなんて話、聞いて面白いはずもない。あの般若顔が目に浮かぶ。
その後も凛哉は俺にどんどん話しかけてきた。休みの日には何してるだの、好きなテレビは、家族何人いるの、などなどなど。佐巻さんもめげずに話に割って入ってきていた。しかし俺は、緊張しすぎてどう答えたかあまりよく覚えていない。
「そろそろ時間だね。昼休み短いなぁ…」
心底残念そうに凛哉が言う。俺にとってはありがたい予鈴が鳴り響いたので、引っ張り出した机をもとの位置に戻した。
旧校舎を後にして、本校舎へと戻る。俺は三階、凛哉と佐巻さんは二階に教室がある。階段の踊り場で、俺はほっと息をついた。やっとこの緊張した時間が終わる。
別れる際、凛哉が紙袋を掲げた。
「そうだ。余ったお弁当、いる?」
「えっ、いいの!?」
何度も言うが、寿々苑のお弁当に罪はない。俺は喜び勇んで紙袋に飛びついた。まだ一つ、弁当が入っている。今日の晩御飯にしよう。姉ちゃんに奪われないようにしないと。
それを受け取る瞬間、凛哉が俺の耳元に口を寄せた。
「――またエッチしようね」
「!!」
反射的に、俺は凛哉から離れた。顔は燃えるように熱い。にや、と企むように笑う凛哉は、色っぽくて刺激的だった。
「時間!」
佐巻さんが凛哉の腕を引っ張った。手を振る凛哉と佐巻さんが廊下の奥へと消えても、俺はしばらくそこから動けなかった。
どうしよう。本当に、凛哉ってば、俺のこと好きなんじゃん。じゃあ、彼女の話はいったいどうなったんだ。ああ、もう、頭がパンクしそうだ。
うんうん唸りながら、俺は何とか三階の自分の教室へと向かった。教室の扉を開き、よろよろと自席へ向かう。べそり、と机の上に倒れ込もうとしたとき、やっと俺は気づいた。
「志水!」
「よぉ」
昨日からずっと空席だった隣に、志水が座っているではないか!
相変わらずのクールな姿で、コーヒーを飲んでいた。
「今来たの?お昼から?」
「ああ、用事終わったから」
「そうなんだ!あ、昨日の分、ノート見る?俺ちゃんととっといたよ!」
俺は弁当を机の横に掛け、いそいそと昨日あった授業の分のノートを取り出そうと机を漁った。志水が休みの時は、いつもより真面目にノートをとっているのだ。
「そりゃどうも……お前、熱でもあんのか?顔真っ赤だぞ」
「えっ!?」
言われて、俺はピタッと動きを止めた。凛哉のせいでまだ顔は火照っている。
それに気づいた瞬間、志水の顔をちゃんと見れるだろうかとか心配していたことを思い出して俄かに緊張した。凛哉インパクトが強すぎたおかげで、志水の顔はちゃんと見れたし、会話も普通にできた。でも、凛哉に口説かれていることを志水に知られちゃいけないだとか、二股をかけてるような罪悪感が胸をよぎる。
「……あ、これはその、あの…」
あわあわと顔を押さえながら、どうしたものかと焦っていると、追い打ちをかけるように志水の視線が俺の机の隣に移った。そこにあるのはお弁当。
「……その弁当…」
「あ、え、これも、あの、その…っ」
入手経路を聞かれると、どうしようもない。
どうしよう、どうしよう、赤くなったり青くなったりしているうちに、天の助け、教師がやってきて授業が始まってくれた。
いつも以上に身に入らない授業が終わり、休憩時間、志水はもう質問してこず黙々とノートを写していた。俺はほっと息を吐き、このままこの話がぶり返さないことを願った。
授業もすべて終わり、ホームルームも終え、学校内がざわつきだす。下校していくクラスメイト達の流れに乗り俺も帰ろうとした。
しかし、寿々苑の紙袋はあまりにも存在感が強かった。立ち上がった際にがさりと音を立てたそれを見て、志水が言った。
「で?その弁当、誰にもらった?」
最初から、俺が買ったという選択肢はなかった。
志水は座ったままじっと俺を見てくる。その視線に命令されたかのように、俺も再び椅子に腰を下ろした。視線をさまよわせ、床のタイルの継ぎ目をじっと見ながら覚悟を決めた。
「…………さ、佐巻さんです」
苦し紛れに俺は嘘を吐いた。今日のお昼、佐巻さんと一緒にご飯を食べた。そこで、佐巻さんが貰い物の弁当がたくさんあるからと分けてくれた、と。凛哉のことは一切伏せた。
「ふぅん……」
俺の言葉を信じているのかいないのか、志水は一つ相槌を打っただけで黙る。
沈黙が痛く、たまらなくなって俺はちらりと志水を見た。ばっちり目が合った。志水はじっと俺を見ていたのだ。その表情は静かだった。怒っている風には見えない。
「お前、あの佐巻ってやつ、好きなの?」
「えっ!?」
あまりにも予想外すぎる質問に、俺の声は裏返った。凛哉じゃなくて、佐巻さん!?
「え、えっ、なんで、なんでそんな…っ」
俺の慌てっぷりが真実を言い当てられて焦っているように見えたのか、志水は続けた。
「お前の理想、ラムちゃんなんだろ」
「そうだけど…佐巻さんって……」
言われてみれば、ラムちゃんと佐巻さんは似てるポイントはある。佐巻さんも釣り目で顔(だけ)は可愛い、(凛哉に対して)一途で積極的で、(凛哉に関して)かなりヤキモチ焼きだ(おかげで今日は恐怖ばかり味わった)。
だがしかし、佐巻さんを恋愛対象に見たことなんてないし、きっと絶対これからも見れそうにない。
「ないないない、絶対ない!怖すぎる!」
ぶんぶんぶんと首を大きく振る。俺の必死の否定に、志水は納得した様子で再び相槌を打った。
「ふぅん……」
さっきより、幾分かトーンが上がった気がした。志水の表情は相変わらず静かだったが、もしかして、と俺はある可能性を思った。
志水、佐巻さんに嫉妬しちゃってるのでは!?
ほわわん、と胸が熱くなった。そう考えると、志水が嫉妬して拗ねているように見えてきた。それって、なんだかちょっと嬉しい、かも……
俺は再び立ち上がった。
「帰ろ!今日もう用事ないんなら、どっか行こう!どこ行く?ゲーセン?」
ウキウキと気分が上がって、俺は志水を誘った。志水も立ち上がり、鞄を手に取った。
「ゲーセンで遊ぶ金あるのかよ?」
「二百円まで!」
「貸さないからな」
そう言った志水は微笑んでいて、その柔らかな笑顔に俺はますます気分がよくなったのだった。
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