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第1話
「ほんっっとに!君ってやつは!
もう!2週間の停学だからな!!」
「………………すみません」
「もう!帰っていいぞ!」
………………まーた叱られちゃった…………
ふぅ……と溜息をつき、ガララと職員室の扉を開けて出ていくと、そこにはニヤニヤとした顔の友人がいた
「くはは、怒られてやーんの
だっせぇ〜!」
「うるさいな………………黙れよ聡……」
目の前でひぃひぃ言いながら大笑いしている友人…鹿野聡[かのさとる]を睨みつける
あー笑った……といいながら涙を拭っているそいつが気の毒そうに僕を見つめてくる
「かっわいそうにな〜
カツアゲされてるところ、助けただけで
教師に呼び出しされて、説教……ぶくく」
「お前……馬鹿にしてるでしょ」
「いや、馬鹿にしてないよ?
ある意味、何しても叱られるって才能だな〜と思……っててててて!」
にやにやしながらそうほざく友人の頬をグイッと引っ張る
………………それでも全く痛くなさそうにニコニコしているから……さらに腹が立つ!!!
くそったれ……と心の中で呟いて手を離す
「あー痛かった」
「思ってないくせに……」
「まーね!」
くく……と笑い始めた彼に、手元にあった傘を振って見せつけると
面白いほどに顔色が真っ青に変わる
「お、おぉ…………それはやめて?」
「んー?ただ傘見せただけなのに……
まさか怯えてるんですかー?」
「くそ、ムカつく……
お前……剣道全国レベルだろ………………
痛いんだよ、傘で殴られるの!」
後ろでギャンギャンと騒いでいる彼
そんな彼を置いて、静かに歩き始める
悔しそうな彼の顔を見て、僕は満足げに笑うのだった
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