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第18話
「んぐぐ?……んぅ!」
「あ?なに言ってるかわかんねぇよ」
……でしょうね!!
今の僕の格好を見たら、多分友人である聡ですら引くと思う…………
さっき戦場で魔王に捕まり、今は多分魔王城?にいるんだと思うが………………
自分の格好を見て、これはねぇよ……とツッコミたくなってしまう
今の僕の姿は………………
口に猿轡、首には犬用の首輪、服は脱がされてスッケスケの布だけ腰にまいてあるけど…………ほぼ真っ裸だし、足には足枷が着いている
しかもその足枷は魔王の手首と繋がっていて………………
まぁみんなが想像するthe奴隷の姿だ…………
いや、それよりも酷い姿かもしれない
だって…………うん、見るに耐えられない
まだ聡のような美形でがこの格好をするなら、着せる方も楽しいだろう
だが実際着せられたは僕のような平凡だ
ただただ貧乏な薄汚い奴にしか見えない
もう一度鏡の前で自分の姿を確認し、ため息をつく
どうせなら人様に見せられるように体を鍛えておくべきだったか…………と訳の分からない後悔をしていると…………
部屋を出ていったと思っていた魔王はいつの間にか戻ってきていて、僕の目の前にいた
「………………なにしてるお前」
「んぐぅ!?………………んむむっ!……」
「…………なに言ってるかわかんねぇよ……」
訝しげに僕の顔を覗き込んできた魔王に驚き、首をブンブンと横に振り誤魔化す
明らかに変だったであろう僕の様子を、魔王は特に問いただすこと無く……直ぐに僕から視線を逸らした
「おい、勇者」
「………………?」
「飯だ、ここ座れ」
僕の手を引き、テーブルの前まで連れてきた魔王
手を引かれるままに椅子に座り、ご飯を待つがどこを見てもご飯がない
はて?と首をかしげ魔王を見つめると
お前は馬鹿か…………という顔で見下ろしてきた
さらに首を傾げると、呆れた様子の魔王がテーブルの上に手をかざし、謎の呪文を唱えた
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