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第44話
チュクチュクと水音だけが響く静かな寝室
やめたいのにやめられない甘い快楽
兄の巧みな舌使いに全てを放棄した
もう…いいかな…
尚も続く兄の舌に力の抜けた体。
服の裾からゆっくり兄の大きな手が侵入してくる
「んっ…」
鼻から抜ける自分の甘ったるい声に震える
兄の手は脇腹を撫でゆっくりと胸の飾りに触れる
「ん…ん…」
気持ちいい…翔琉以外に触られるのは初めてのことで…突き抜ける快楽を貪るように自ら胸を兄の手に擦り付けた
あぁ…もうこのまま流されてしまおうか…
なんてあり得もしないことが過る。
あくまで兄は誰かと間違えているだけだから早くやめさせないと兄が傷つく…
大好きな兄が傷付くのは嫌だ…
顔を何とか横にして唇から逃れ兄の耳元で囁く
「くーくんっ…んっ…」
それでも手の動きが止まらない
「く…っ…くん…んっ…起きて…起きて!!」
「はっ!!」
「お…は…よ…くーくんっ…あっ!」
「あ!!ごめん!!ことり…俺…」
「んっ…あっ…大丈夫…大丈夫だから…」
「…っ…ことり…」
「はぁんっ…くーっ…くっ…ん…ちょっと…手…あんっ…やめて…っ」
「…ヤバい…可愛い…」
「ちょっ…やめっ…あっ…ん」
「…ことり…」
急に声色が艶を帯びる
「なに…」
「お前の相手…男?」
「えっ!!」
「やっぱり…」
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