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第78話

激しく交わった翌朝。 心地のいい体の重さ…愛された証… この日から僕は勉強を言い訳にして翔琉から距離を取るようにした。 これ以上近くにいたら…抱かれたら…僕はきっと卒業式の日縋ってしまうから… 捨てないでくれって見苦しく… 翔琉も担任と言うことで何かと忙しかったし好都合だ そして無事受験を終えた。 結果は合格。 僕が行く大学はここから遠く離れた場所にある。 だから進学すればここに戻ることは無くなる。 翔琉と過ごしたこの町は僕には思い出が多すぎて耐えられそうもない… 初めて来た土地で初めて出会って…恋をして…恋人になり…それが期間を区切られて… 他の恋人の影なんて消えることなんてなかった。 でもこの3年、僕はとても幸せだった… 翔琉といられて幸せだった… 始まりのあの場所で水面を見詰めながら沢山の翔琉との思い出を振り返る… その度泣き出しそうになってはそれを耐え…繰り返した 明日は卒業式だ…僕は…翔琉からも卒業する…

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