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第84話
「あっ…と…勢いで言っちまった…そんなの気持ち悪いよな?…」
「翔琉……」
「なんだよ…」
「バカっ…バカっ…翔琉はいつだって言葉が足りないんだよ…無駄に泣いちゃったじゃん!!バカっ」
「お前さ…バカバカ言うなよ…落ち込むわ…」
「だって…だって…」
「でも嬉しい…お前が俺と離れたくなくてこんな顔になってまで泣いたんだと思うと…嬉しい…」
「変態…バカっ…」
「もう!可愛い!!無理っ…絶対無理っ!!離れたくない!もう大人の振りなんて出来るかよ!!一時も離れたくない。このままここに閉じ込めたい!!」
「それは無理」
「わかってるよ…お前がずっと目指していた大学だもんな…何で県外だよ…あぁもう!!簡単に会えなくなるじゃん…寂しいよ…」
「バカっ!!何で翔琉まで泣くんだよ。収集つかなくなる!!」
「だってさぁ…やっと教師と生徒の関係が終わるのにいきなり遠距離なんて酷くない?お前絶対向こうでもモテるから俺よりいいやつ見つかるかもしんないじゃん…こんなダメな大人よりずっといい奴。お前に捨てられたら生きていけない…」
「大袈裟…それはこっちのセリフだから。翔琉だってモテるくせに…」
「で?俺に他にもいるって何でそんな思考になったわけ?」
「周りみんな言ってたよ?それにたくさんの人出入りしてたのも見たし…声だって漏れ出てたことだってある…」
「…確かに俺に言い寄って来る奴は多かったよ。皆物好きだよな」
「それって僕のことも含まれてるんだ?」
「だな。でもお前はいいの。
俺はだいたい準備室にいたからみんながこぞって来たんだ。俺はお前と過ごしたいのに邪魔されて…でも全部断ったし何もしてないしされてなぃ…」
「待って。何で最後小声?」
「怒らない?」
「…内容による」
「だって…」
「わかった…怒らないから話して?」
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