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第86話

遠距離恋愛なんて無理かもしれないって正直思っていた 翔琉と会えないなんて…でも意外なことに不安もない。 何故なら… 「こーとーりー!!ことり!!」 「んもう!何?」 「大好き!」 前以上に翔琉がしつこく連絡してきて何度もそう言ってくれる 高校時代は期限があると思い込んでいたから翔琉の言葉なんて半分も信じきれてなかった でも今は翔琉の思いが痛いほど伝わってくるから… 銀杏の木の下のジンクスは強ち間違いではないのかもしれない だって…こんな翔琉が他になんて…今では笑えてしまうほど余裕が出来て離れる想像なんて全く出来ないから。 ちょっと過保護すぎるほどの翔琉の愛を信じないなんてあり得ない 「ことり。」 「ん?」 「明日ね」 「うん。また明日。翔琉」 「なぁに?」 「大好きだよ」 「ことりー!会いたいよぉ」 「もうすぐ会えるじゃない。」 今週末翔琉が泊まりに来てくれる。実はかなり前からとても楽しみだった。 卒業してお互い何かと忙しくて会えなかったから。 それはもう大学の友人やバイト先の人まで気付かれるほどに僕は浮かれていた きっと翔琉も同じ気持ちでいてくれるはず…

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