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第95話
ピンポン
「あれ?誰だろ…こんな時間に…」
「誰か来たのか?」
「うん…美景さんかな…?」
でもこんな遅くに来たことなんてない…
「ちょっと出てくるね。電話繋いでて」
「大丈夫か?」
「モニター見て無理なら開けないから」
「わかった」
モニターを覗くとそこは見知った人
「あ。兄さんだ」
「九頭竜さん?」
「うん。」
「もうすぐ帰国するからって言ってたからそのまま来たんだな。なら俺は切ろうか」
「うん。また明日ね」
通話を終了して扉を開けると兄さんが飛び付いてきた
「わっ…ちょっと…」
倒れそうになるのを兄さんが抱き止めてくれた
「こーとーりー!」
「なぁに?」
「大丈夫か?」
「…うん。大丈夫だよ。」
「すぐに来れなくてごめんな」
「いいよ。翔琉も毎日連絡くれてたし美景さんが様子見に来てくれたから」
「美景さん?」
「あぁ…高校の時の先生。五月女先生の紹介で俺を翔琉と一緒に助けてくれた人。華陵院グループわかる?そこの長男で…」
「華陵院…」
「うん。」
「美景…」
「うん。どうしたの?」
「いや…何でもない…」
兄さんの瞳が揺れる。何かあったのだろうか?
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