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第96話
今度から日本を拠点にすることになった兄は僕のマンションの近くに住むことになったようだ
「今日は泊めて?」
「いいよ」
食事後二人で世間話をして寝床に入る
兄は疲れていたのか直ぐに寝息をたて始めた
翔琉におやすみのメッセージを送って僕も眠りに落ちた
そして、翌日
「何で…九頭竜がここにいるの…?」
朝から来てくれた美景さんが驚き固まっている
「兄です。」
「え?!そうなの?」
「はい」
「似てない…」
「そうですね。二人は知り合い?」
「俺が海外出張で行ったとき出会ったんだ。何となく入ったお店で日本人のあの九頭竜を見つけてね」
兄はファッションモデルもしてるから案外有名だ
「久しぶり。」
「…うん…」
「兄さん?」
「何でもない。俺出掛けてくる」
こちらを振り返らずに去っていく兄を見送る
「何かすいません…いつもはあんなじゃないんだけど…」
「ふふっ…仕方ない…俺が色々やらかしちゃったし」
悪戯に笑いウインクをする美景さん。
こんなに無邪気な表情を初めて見た
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