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第99話
「ことり」
「どうしたの?翔琉…」
「ことりは大学卒業したらどうするの?そのままこっちにいるの?」
「おそらくそうなるよね」
「…ねぇ…俺がこっちに来たらどうする?」
「え?」
「俺はあの町に未練があるわけではないんだ。お前がこっちに来てからは会えない時間が苦しい…こんなんじゃお前に呆れられるとはわかってるんだけど…でもお前の側にいたい。何かあったら直ぐに駆け付けられる…直ぐに抱き締めてやれる場所にいたい…」
「嬉しい…嬉しいよ…」
「…よかったぁ…」
「え?」
「実はもう向こうには言ってあって来年度からはこっちで仕事することが決まってたんだ。これでお前に拒否されたら大変なことになるとこだった…」
「そうなの?」
「うん。勝手に決めてごめんね?本当は前回来たときに伝えたかったんだけど…さ…やっぱり直接あって言いたかったし」
「家はここに住んでくれるよね?」
「いいの?」
「当たり前でしょ」
こうして僕らは一緒に住むことになった
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