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第140話.◇静からの手紙①

「誰に連絡?」 「敦くんと誠くん。静くんから連絡がいってないか聞いてみるね」 鈴成は拓海に言われて、静が仲良くしていた2人のことを思い出した。 『はい、拓海さん? どうしました?』 「あ、敦くん? 静くんから連絡とかあった? あと、寮に帰ってないか知りたいんだけど」 『静ですか? 昨日そっちに泊まるって連絡はきましたけど、それ以降は何も。こっちにいるかは、今確認しますね………ピンポーン……あ、誠?…ガチャ…敦どうしたの? 静? 帰ってきてないけど……あの、静まだ帰ってきてないみたいです。何かあったんですか?』 分かってて聞くのは拓海でもしんどかった。 「そっか、今朝から姿が見えなくて、どこに行ったのか分からなくなっちゃってね」 『え? それって行方不明ってことですか?』 行方不明ではない。拓海は静がいる場所を知っている。 「手掛かりになりそうなものが諒平さんの家にあるらしくて、後で敦くんと誠くんも一緒に行って欲しいんだ」 『もちろん行きます』 「4時に約束してるから、学校の守衛さんの所に3時半ってことでいいかな?」 『分かりました』 電話を切ると鈴成に詰め寄られる。 「兄貴、手掛かりになりそうなものって何? 早く確認したい」 「僕も詳しくは分からない」 拓海はそう言う事しか出来なかった。 結局朝ごはんも昼ごはんも食べる気が起きず、水分だけ摂ると敦と誠と合流し、4人で風間家に向かった。 きっかり4時に到着してインターホンを鳴らすと、すぐに諒平さんがドアを開けてくれた。 「いらっしゃい、中入って」 リビングに通されると、鈴成が口を開いた。 「静の手掛かりになりそうなものって何?」 「ちょっと待ってて」 諒平は金庫に入れた物を取り出した。 鈴成と敦と誠にメッセージカードを渡す。 中を読んで3人共肩を落とす。 『ごめんなさい、さようなら』の文字。 「あ、このメッセージカードはね、二重になってるのよ。そこにほんとうのメッセージが書いてあるから。ある特定の光を当てると読めるの。こっちに来て」 3人は諒平に着いて行く。 2階に上がるとそこは諒平の仕事部屋のようだった。 端にある机の電気をつけると、ツマミを回しているが見た目の光は変わらない。 「これで、読めるはずよ」 「鈴先生から、どうぞ」 「いいのか?」 鈴成は敦と誠を見た。2人が頷くのを見て、光にメッセージカードをかざした。 文字が浮かび上がる。

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