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第17話

「僕はこれからどうなるのかな?ここからは出してもらえないの?」 繋がれた両手首を見つめながら、ミツルに問いかける 窓から見える景色はもう明るくなりかけていて、朝日が昇る前の静けさが部屋全体を包んでいた ユウはミツルの膝を枕にしてすやすやと寝息を立てていた ミツルは、ユウの髪の毛に指を巻き付けてパラパラと頬に落とす それに反応して閉じられ瞼が動くたびに愛おしそうに微笑んだ 先ほどまで見せられていた暴虐との差が著しかったが、それでもミツルの柔和な顔が見れてホッとした 「ねえ...君はこの子が大事なんでしょう?」 椎名はミツルに語り掛けた 大事にしているもほど壊してくなる衝動はどこから生まれてくるものなのか それが分ればこの状況を打破することができるはずだから 自分もあの少年も...そして彼の事も... 「なぜ...あの子に暴力を振るいたくなるの...?」 「.....」 「君は....」 「うるさいな...やめてくれない?」 ミツルはうっとおしそうにな顔で首を横に振った 心理などにたどり着くどころか入り口にも立てないまま彼に会話を打ち切られてしまってはどうすることもできない 「それってさ...治療で使う手法ってやつだよね?」 「.....そんなつもりじゃないよ」 「先生だって俺と同じだよ...そのドロッドロのやつ...ユウに出したんだから」 椎名の下半身を指して先ほどまでの行為を示した 「君がさせたんだろう...?」 言い返した拍子に椎名は彼の顔を思わず睨んだ 自分が仕向けたくせにそれを脅しに使う気なのか... どちらにせよ今はただ彼のいうことに従わないといけないのか こんな時、自分の職業なんて全く役に立たないことを思い知る 以前自分と接したことがある患者ならなおさら...手の打ちが相手にばれやすくてかなわない ここは病室でもないんだ こんな経験はあるわけないし、捕らわれてしまっては何もできない 何か語り掛ければ疑われて警戒されて次第に何も話してくれなくなることだってあるだろう 「ユウも先生がいればたのしいよ?これから仲良くしようよ」 ミツルは唇の端を引きあげて笑った

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