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知らない世界

どおしたの? どこかいたいの? えっと...えっと... なにかおこってる? 聞きたいことはたくさんあって、だけどどれも言葉にはできなくてもどかしい 今日はとってもいい日 だからなんでもガマン出来そうな気がするの 苦しい事も痛いこともがんばれそうな気がするの 「眠れないの?」 頭の中で思うことが彼に伝わればいいのに...とユウは思う 「....」 眠れないのはいつもとちがう、違いすぎる彼のせい このまま何もしなくていいのだろうかと思う気持ちが完全に消えてくれないのだ けれど寝転がって髪を撫でてもらえばもっとしてほしくて身体を摺り寄せてしまう 甘えるように彼の胸元にしがみ付けばそのまま抱きしめられて背中を擦られた 身動き取れないほどぴったりくっついていると自分が抱きしめていたぬいぐるみを思いだして目線だけ下に向けた ぬいぐるみはユウと彼の間に窮屈そうにして顔がへこんで苦しそうだった 彼にくっついていたいけど、ぬいぐるみも手放したくなくて...... なんだかすごく欲張りな気がした 「手、かして?」 「...?」 「ほら」 狭い中で大きな手に包まれるみたいに握られた小さな手 「明日はユウのしたい事をしようね」 「ぅ...?」 「ははっ...わかんなくていいよ」 彼は笑いながらユウが分からない事を分かっているのに一人で話を続ける 「明日も明後日もユウの好きな事をしようね?」 もう片方の手は背中をリズムよく叩いていく ユウの瞼がしだいに重たくなって意識がゆっくり遠くなっていく もっと声が聞きたかった 「ユウ...?」 もっと名前を呼んでほしい 「寝ちゃったか...」 彼はお腹にかかっていたシーツを胸元まで引き上げてその中に今も繋いだままの手を戻して言った 「オヤスミ、ユウ」

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