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いつの間にか深い眠りについてしまっていたユウは寝室から差し込む光で目を覚ました あれ...? まだ寝起きの頭では状況が掴めない...分かることはいつも寄り添って寝ているはずのミツルがいない事 そのことに気づいてハッと目を見開いた時、床に座りベットに寄りかかるようにして寝ているミツルの姿を見つけた そばにいてくれて安心したけどなんでベットに入っていないんだろう...?と疑問に思う 朝はまだ肌寒くてそんなところで寝ていては体が冷たくなってしまうのに... ユウは布団の中から手だけ伸ばしてそっとミツルに触れてみる 彼の傷一つないきれいな頬に指先が触れた時ひんやりとした温度を感じた どうしよう...こんなに冷たくてかわいそう だけどユウにはミツルを抱え上げてベットに寝かせられる腕もなければ、”起きて?”と一言発する声もない 自分は何にもできない...寝ている彼を眺めながらユウはそんなことを思っていた だけど何もできなくていいのかもしれない 何もできなければ彼はそばにいてなんでもしてくれるから ”ユウは俺の言うことを聞いていればいいんだよ?” 彼の言う通りだと思うからそれ以上考えたことはなかった ユウは彼を起こさないように上半身だけ起こしてもっと顔を近づいた ベットから落ちないよう気を付けながらできる限り冷えないように傍に居ようと思ったのだ 冷たい頬に手のひらを当ててぺたぺたと触る これぐらいしかできないけれど寒くなくなればいいなぁと思った 「ん...」 そのうちミツルの目がゆっくり開いてユウをとらえた時、ユウは彼の頬を包み込んでいる真っ最中だった 「あっ...」 起こしてしまった!とユウは思わず触れていた手を引っ込めようとした するとミツルはその手をつかんで自らの頬に押し当てる さっきよりもじんわり手のひらに彼の体温が伝わってくる 「ユウの手、あったかい...」 ほんの少しだけまだ眠そうなミツルがユウの手を頬に当てながら向き直る 「あっためてくれてたの?」 「ぅぁ...?」 朝の気温はまだ肌寒くミツルは一瞬ぶるっとしてからベットに上がり布団の中にもぐりこんでくる 「寒い...外で寝るんじゃなかった」 そういいながら絡みつくようにユウに抱きついて耳もとに唇を寄せる 「ユウは温かくて気持ちいね...ねぇ、もっと温めてよ」 「....?」 「こうやってギューってして?ユウから」 ミツルは先にユウの身体を抱きしめてから同じことをするように促してみる ユウは最初はよく分からないようだったけれど言われるがままに見よう見まねで抱きついた 縋ったり触れたくて自分から抱きつくのとは同じようで全然違う ミツルを自分の腕の中に包むようにして抱きしめるのは初めてだった 短い腕をミツルの背中に回してぎゅっと力を込めてこれでいいのだろうかと上目づかいに見上げた 「うれしいな、ありがとう」 ミツルはその言葉を何度も繰り返して、ギュっと抱きしめ返してくる そうされるとまたユウもギュッとしてお互いずっと抱き合ったままだった いつの間にか冷たかったミツルの肌がユウと同じ体温に変わっていた

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