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「ユウ、ちょっとおいで?」 ミツルが手招きして呼び寄せると、椎名のそばで遊んでもらっていたユウがパタパタと走ってくる 彼のそばには大きな紙袋が二つ ユウがそばに駆け寄ると彼はその中身をゴソゴソと取り出して見せた 「わぁっ!!なにそれ?!」 椎名は後ろから覗き込んで感嘆の声をあげた ミツルが紙袋から取り出したものはユウのために買い揃えた洋服 下着からトレーナーにパーカー、靴と一式揃えてあった 「ほら、バンザイして?着せてあげる」 「う...?」 着ていたシャツを脱がせて下着から履かせていく 今の今まで裸にシャツ一枚と首輪のみ それ以外は身につけさせず他に何かあるかと言ったら包帯だ 素肌にピッタリとした下着をつけると少し窮屈そうな顔を見せる 「変な感じ?すぐ慣れるよ」 これからはこういうことに慣れてもらわないと...洋服をきちんと着るのは当たり前だから これからはもっと人間らしく、誰もが当たり前に過ぎていく日常が待っている ズボンを履かせて、トレーナーを着せる 風邪を引いたら大変だから少し厚手のパーカーも用意した 「ユウくん!!似合うね!可愛い...あぁ、男の子だから”かっこいい”かな?」 「んぅー!!うぅ...」 「ダメダメ、脱がないんだよ!?」 ユウは着慣れない洋服にモジモジしながら不快な表情を浮かべて袖を引っ張っている 彼が買い揃えた洋服はサイズがピッタリだった 抱き慣れた身体なのだ サイズなら計らなくても分かる 背だって低く細い身体 手だってこんなに小さくて強く掴むと折れてしまいそうだ 抱えて簡単に攫ってしまえそうな存在をこれからの世界は受け入れてくれるのだろうか お気に入り イイネ 前へ 次へ PR BLoveのBL小説をアプリで読もう! >今すぐダウンロード< ページコメント(新しい順) しおりを挟む 表紙へ 電子書籍の出版はこちら あいうえお出版 BLマンガ・BL小説・BLイラスト - BLove(ビーラブ) © fineseed.inc

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