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prologue
美男美女と呼ばれる人間は、大きく二つに分けられる。
一方は、自身の容姿が他者より秀でていることを理解し、それを遺憾なく発揮。周囲を魅了し、我がものとする。
もう一方は、あまりに美しすぎて、周囲は気後れ。孤立する婉美は神々しく、ますます周囲を遠ざける。
彼は、後者だった。
しなやかに揺れる絹の様な髪。
そこから覗く面様は、どこか夢うつつ。
玉の白い肌は艶美で、三白眼の黒い瞳は清明。
神が彼を創造したとするならば、なんと罪深きモノを創造したのだろう。
それほどまでに完璧な人間。
『壬生 司(みぶ つかさ)』
果実を思わせる唇から紡ぎだされた声もまた、完璧だった。
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