4 / 4
4
ギャラリーでは『竜の花婿』の前に一人の青年が立っていた。ギャラリーのオーナーが青年に気付いて少しギョッとした。青年は裸に近い格好をしているのだ。
「すみません! もう営業時間終了ですので……!」
青年が振り返り、その顔を見てオーナーは固まってしまった。憂いを帯びた顔はあの絵の青年そのものだ。
「いつも僕を見てくれていましたよね」
「え……あ……」
妖艶な微笑みにオーナーは言葉を失った。
「ねぇ、僕に触れたかった?」
青年の手に導かれて、オーナーの男は青年の体に触れて……そっと口付けを交わした。
end.
ともだちにシェアしよう!