「あっはぁっン……ン、ぁ、真紀っ」 　イっちゃいそうだと懇願したって、欲しくて疼きが増すだけだから早く欲しいとねだったって、真紀は中をまさぐる指を止めない。 「ふっ……ン、ぁ、やぁ、そこ、ぁ」 　だから、俺も、真紀に抱きついて、シチサンをぐちゃぐちゃにするのを止めない。 　もう、やめない。 「誉さん、手、痛い？」 「あっ……」 　自分の見えないところから、ぬちゅりと蜂蜜でも掻き混ぜてそうな音がしてる。 「あっンっ」 　やらしい音が職場の更衣室に響いてる。俺は太腿まで落ちてぐちゃぐちゃになったツナギに絡まりながら、抱っこされて、膝の上に乗っけられ、中を指でほぐされてる。 「やぁぁン」 　乳首を食まれながら。 「痛い？」 　こんなとこ、誰かに見られたらヤバいのに、俺は止めないで、真紀のうなじにしがみつくように腕を回して喘いでる。甘い声を上げながら、背中を反らせて、その唇に乳首を押しつけた。 「へ、き……気持ち、イイ」 「じゃなくて、手、怪我」 「あっン、そこ、好きっ」 　前立腺を指でゆっくり押されて、そこから快感が繋がってるペニスがヒクンと揺れた。そして、また先走りがトロリと溢れて、竿を伝い落ちてく。尻を鷲掴みする手の強さ、あと、中を掻き混ぜて抉じ開ける指の強引さに、感じまくって、触られてもいないペニスを濡らしながら。 「もっと、して、真紀」 「誉さん」 　何？　そう尋ねたいけど、喘ぎまくってる俺はどこかもう蕩けきってて、うっとりと真紀を見つめてるだけ。 「誰にも、見せないで」 「？」 　何を？ 「貴方のこんな可愛いとこ」 「……」 「誰にも」 　あぁ、ホント。ちっともわかってない。 「……バカ、お前だけだ。今の俺のこと、可愛いなんて言うの」 「バカは貴方だ。俺には、すごく可愛く見える」 「ホント？　嬉しい」 　そっと額を預けるように、コツンって合わせて、一つ呼吸を置くと、しがみついていた手を一旦離して、真紀の眼鏡を没収した。 「ちょ、誉さんっ、それ、ないとっ」 「眼鏡なくても、これなら見える、だろ？　ね、真紀」 　裸のまんまで見てよ。俺のこと、そのままの瞳で見て。そう願って、再び首にしがみつく。 「も、中、来て。もっと近くに、真紀」 　真紀が裸眼でも見える範囲はとても狭い。その距離たったの五十センチ。この距離でないと、お前が言った「可愛い俺」は見えないんだからと、その瞼にキスをした。それから、その唇を猫のごとくまた舐めて、指を自分の中から腰を浮かせて抜いた。 「まだ、もっとちゃんと、誉さん」 「ヘーキ」 　抜ける時に甘い声が零れるくらいにもう中トロトロに熱くなってる。だから、痛くない。 「早く、も、欲し。もう中疼いて、すごい、から、このまま生でちょうだい」 「……」 「真紀が先に言い出したんじゃん。ぐちゃぐちゃにして欲しいって」 　真紀の掌を背中に感じながら、片手で自分のペニスを遊び半分な手つきで撫でて見せた。見つめられながら、自分で扱いて、わざと甘ったるい声を上げて、真紀を煽る。 「あっ……ン、俺のことも、して？　ぐちゃぐちゃに、」 　首に腕を絡ませ、身体を擦り寄らせ、誘惑したい。 「誉さん」 「なぁ、も、しよ。これで、俺の中、してよ」 　言いながら軽くキスをして、真紀のペニスに、今、扱いて手についた自分の先走りを塗りつけながら、膝の上で身を捩った。ツナギの服を中途半端に脱がずにいたから、足元で絡まってる。膝の辺りを拘束するみたいに邪魔をするその作業服を脱ごうと思ったのに。 「ぁ、ちょ」 「誉」 「あ、待っ、ぁ……あ、ああああああっ」 　そのままかまわず、ずぶりと刺し貫かれて、割り開かれることに、強さに、熱さに、堪えきれずに射精した。 「あっ！　……ン、もっ、ぁっウソっ」 　まるで女の子みたいに膝をくっつけたまま抱えられた自分の格好も、扱いていないのにイったペニスの先端から弾くように射精したことも、そして、それが、作業服に飛び散ったことも全部が恥ずかしくて、溶けそう。 「あっ！　待っ、今、イってる」 「ヤです」 「あぁぁぁっ」 　うねる中を掻き分けて、真紀のペニスがズンズンと奥まで刺し貫いてくる。 「あ、あぁっ……ン、真紀の、大きいのが、ぁ、奥来てる」 　しがみついてないと落っこちそう。 「激しっ……ン、ぁ、そこ、やだっ、ダメっ」 　体勢を入れ替え、更衣室のど真ん中に置かれた長椅子をベッド変わりに寝そべった俺は、この恥ずかしい格好のまま、攻め立てられる。抱き締められて、耳下で雄っぽく荒い呼吸をする真紀の首に掴まって、何度でも、奥から、前立腺から、浅いところまで、全部を擦り上げられ、甘く啼いてしまう。 「やぁぁっン」 「誉」 「ぁ、ン、真紀っ」 　真紀のペニスが熱くてたまらない。 「真紀……好き」 　言いながら、ずり上がりそうなほど、一番深いところを抉られる。 「好きっ、あぁぁぁっ、イっちゃうっ」 　女の子みたいに脚を閉じながら、嵌められるの、したことある。大昔。今よりもずっと華奢で、こんなオイルが沁み込んだ指じゃなくて、もっと。 「俺も、好きです。誉さん」 「っんんん」 「やっぱり、可愛い」 「ン、バカ」 　悪態をついたのに微笑まれて優しいキスを落とされながら、中には強く激しく打ちつけられる。 　もっとたくさんの男に可愛いって言われて、モテてた。でも、そのどれもよりもこれがいい。大昔の俺も知らない、やらしくて、蕩けるほど甘い、このセックスがいい。 「そっち、こそ」 「？　誉？」 「こんな、セクシーでカッコいいって、誰にも、見せ、んな」 「俺が？」 　笑い事じゃないんだ。本気だからな。 「あ、あぁぁっン」 「俺なんて」 「もっと、シチサンびしってしろよ、あ、やぁぁっン、あんっ、そこ、気持ちイイ」 「っ」 「そ、んで、眼鏡、外すなっ、ぁ、ンっ、あン、イっちゃう」 「……」 「誰にも、見せ、なっン、んんっん」 　激しく腰を打ち付けられながらの深いキス、この身体を丸ごと抱きかかえられる強い腕。それと――。 「あ、ぁ、あっ、ぁあっ……イくっ、やだ、そこ、突かなっ、ぁ、あっ」 　それと、この熱くて硬くて、強引でワガママに俺の中で暴れるペニスに、身悶えて、悦びながら。 「誉っ」 「ぁ！　ン、真紀、ぁ、真紀っ、ぁ、クるっ、や、何、これっ」 「っ」 　真紀にぐちゃぐちゃにされながら。 「あ、あ、ぁ、ああああああああっ」 　中に放たれる、真紀の熱を感じた瞬間、目の前が真っ白になって、ただ、真紀の強さにしゃぶりついていた。