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第2話
「……っ……あ、ああ……っ」
夜景を一望できる独立した寝室。そのキングサイズのベッドの上で圭人は大きく足を開かされて西園寺に熱い楔を打ち込まれていた。スプリングの力を借りて揺すり上げるたび、圭人の唇から甘い吐息が漏れる。
男性なら後で騒ぎ立てることもあるまい、と西園寺はほくそ笑んだ。なによりこのしなやかな身体。どこまでも快楽に従順。誰ともセックスなどしたことがない、というような清廉な表情とは裏腹に、今は熱く熟れた果実のように溶けている。
「……圭人……」
「……つ……かさ、さん……」
「すまないね。俺はチャンスを逃さないもんでね」
圭人の潤んだ瞳に欲望を剥きだしにした自分の姿が映っている。長い睫毛が時々震えるように伏せられた。
「男は俺が初めて?」
そう尋ねると赤く染まった目尻から涙を流しながらこくこくと頷いた。
「そうか。じゃ、優しくしてあげる」
ぐっと身体を倒して唇を重ねると圭人の腕がおずおずと西園寺の背中に回された。
「舌を出して。……そう」
舌を噛んで、吸って、絡ませ合う。ぎこちなく、しかし必死になって応えようとする姿を見ているうちに西園寺は胸の奥がざわつくのを感じた。
──まさか……な。絆されるなんて。
「ここは? 気持ちいい?」
奥へ、奥へと入り込みながら汗ばむ圭人の耳元で囁く。そのたびに喉の奥から、いい、という微かな声が漏れ聞こえた。強く突くと中が熱く締まり、絡みついてくる。ふう、と息をついて西園寺はきつく腰を掴み、激しく身体を前後に動かした
「あっ、あ……っ……あ……!」
「中に出すよ」
「司さ……ん!」
すべてを注ぎ込んで身体を起こすと、圭人はじっと西園寺を見上げていた。荒い息をしながらも一途に見つめてくる圭人にたまらなくなってもう一度口付ける。熱くざわめく心からその言葉ははらりと落ちた。
「圭人。俺と付き合ってくれないか」
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