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1 プロローグ

 この春、僕は高校に入学した──  新たな学びの場でこれからどんな出会いがあるのか、どんな高校生活を送るのか、期待と緊張を胸に新生活の一歩を踏み出す……そんな思いは僕には微塵もなく、これまでどおり冷めた気持ちで入学式を迎えていた。  中学の時から僕には友達と呼べるような人がほとんどいない。あまり他人に興味が湧かないせいか、自分から人に話しかけることもない。  他人に興味が湧かないのはずっと前から。物心ついた頃から僕は他人はもちろん、自分自身にもあまり関心を持てないつまらない人間だったんだ。  興味が湧かない? 関心がない? いや何事に対しても「面倒臭い」という気持ちが一番大きい。人と関わる煩わしさより、一人好きな本を読んでいる方がよっぽど楽しいと思ってしまう。  僕は一人でいるのは苦ではない。もちろん人に話しかけられれば普通に話すし、楽しい時は楽しいと素直に思える。  そう、それだけだ──

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