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26 俺、いますよ……
結局周さんも一緒に竜の家まで来てしまった。竜のお母さん、周さん見てびっくりして固まってたな。ちょっと面白かった。
竜の部屋に入ってから、無意識かな? 周さんは竜の足首をずっと摩ってる。触り方がいやらしいな、なんて思わない。うん、思わない……普通だ。気のせい、エロくない。心配そうな周さんに、そんな周さんをぽやっとした顔で見つめる竜。あれれ? 二人の世界? 違うよな? 俺もいるからね? わかってる?
疑問に思っていた、周さんが竜の怪我をなぜ知っていたのかの理由がわかった。やっぱりサボっていたらしい。でもサボったことを竜に怒られてしょんぼりしていた。周さんも可愛いところがあるんだな、と思ったのと同時にやっぱり竜は先輩後輩とか御構い無しでモノを言うんだなと、ちょっとびっくり。あんな見た目怖そうな周さんにおんぶやら説教やら、ちょっと普通じゃ考えられない。
そして足を摩られて気持ちよくなってきちゃうなんて言いながら周さんを見つめる竜がとてもエロい……
って! 何考えてるんだ俺! 気付けばこのあいだの打ち上げの時宜しく周さんの股座に収まって座ってるし、俺はどうしたらいいんだろう。明らかにお邪魔だよな。時折周さんの鋭い視線が俺を睨む。そうだよね。うん、俺だってなんとなく察してる。
「俺、お邪魔です?」
意を決して言ってみれば、食い気味に「ああ邪魔だ」と言われる始末。でもまた竜に怒られてしまった周さん。竜が俺を庇えば庇うほど周さんに睨まれるから、いたたまれなくなって俺は早々に帰ることにした。
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