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嬉しすぎる知らせ

周さんと連絡がつかなくなってもう二週間は過ぎた。 もう僕おかしくなりそう。 毎日が普通に過ぎて当たり前だったことが当たり前じゃなくなって、誰かのためにこんなにも心が満たされたり乱されたり…… 教室でぼんやりと席に着き、またしても目の前で僕を見つめる志音に気づかないままそんな事を考えていたら、携帯がポケットの中でブルルと振動した。 携帯の振動に驚き、更に目の前の志音に気が付きまた驚いてひっくり返る。志音がそんな僕を見て絶句した。 「痛った……もう! 志音やめてよ、僕の事こっそり脅かすの」 「はぁ? おはようって声かけてから竜太君の前に座ったよ。そっちこそどうやったらそんなにボンヤリ出来るの? 脅かしてねえっつうの……」 「………… 」 そうだったんだ。全然気が付かなかった。 「ごめんね、志音。もう二週間以上経つんだよ? 信じられないよね。多分僕もう限界……」 そう言いながら、僕は携帯の画面をチェックした。 「周さんからだ!!」 志音が、声デカっ! と驚きの声を上げるけど、気にせず僕はそのメールを開いた。 「………… 嘘」 「ちょ、ちょっと竜太君、大丈夫??」 僕はまわりの目も気にせず涙を流してしまった。今思うとかなり情緒不安定だったと思う。恥ずかしい。でも嬉しい! やっと会えるんだ! そう思ったら嬉しくて泣けてきてしまったんだ。 僕の携帯の画面には『今度の土曜日、朝から一日あけておけ。俺も愛してるよ』と、それだけ書かれていた。 ……愛してるって、周さんたら。 「竜太君、今度は何? さすがの竜太君でも気持ち悪いよ……竜太君、泣き虫だなあと思ってたけどさ、最近はちょっと目に余るよね。それに泣きながら笑ってる。大丈夫? なんて書いてあったの?」 今度は哀れみの目で見つめる志音に、僕は周さんからのメールを見せた。 「よかったね! なんか周さん偉そうにも見えるけど……でも 愛してる だって。周さんも愛を囁いちゃったりするんだね。ウケる。でも竜太君ほんとよかったね」 志音がにこにこしながら僕の頭を撫でてくれた。 周さんと会えるのも勿論嬉しいんだけど、その周さんが言っている今度の土曜日って実は僕の誕生日なんだ。そう! 僕の誕生日! 会いたくて会いたくて、声が聞きたくてどうしようもなくなって、久しぶりに会えるその日が自分の誕生日だなんて! こんな偶然ある?? すごいタイミング! 嬉しすぎるよ。 周さんに会ったら教えてあげよう。 僕のどんよりした気持ちがパァっと晴れたその時、康介が教室に入ってきたのが見えた。 「康介ー!見てーー! 」 僕が康介に向かって叫ぶと、ギョッとした顔で慌てて僕の方へ駆け寄ってくる。 「竜、どうした? そんな大きな声出して……あ、志音おはよ」 僕は康介にもメールを見せた。康介もメールを見るなり、僕の腕をバンバン叩いて喜んでくれた。

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