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第1話(R18)

「あっ、んっ」  前立腺を陰茎で続けざまに狙われ、神足(こうたり)はもう意識をとばしそうになっていた。  今、神足を執拗に責めている男。  彼の名前は冨手(とみて)。3年前、創刊始まって以来の期待の新人ということで、とある青年誌で漫画家デビューを果たした。その時に冨手を手伝って背景やベタ、トーンの処理を担当していた神足も嬉しかった。 「ありがとう、コウがアシしてくれたお陰だよ」 「そんなことないって」 「もし、良かったら、これからも手伝って欲しいんだけど」  そして、神足は漫画家・冨手極(きわむ)のアシスタントとして働くことになった。元々、漫画はストーリーを考えるのは苦手だったが、描くのは好きだった。そんなこともあって、本当に嬉しかった。  だが、創刊始まって以来の期待の漫画家。それは長くは続かなかった。  1作目がこの上なくベストな状態でスタートからラストを迎えたのとは違い、2作目は中盤になってもパッとしなかったのか、評判はいまいちだという。その為、今日の冨手は漫画の方は描かず、テコ入れやアイディア出しといった打ち合わせに行ってきたようだ。  その為か、また様変わりした世間の評判にも、だろう。  1年くらい前から冨手は高校時代から7年間もつき合っていた神足に鬱屈をぶつけるようになっていた。 「おい、気持ちいいか?」  以前、冨手には聞かれ、神足は「気持ちいいよ」と答えた。だが、冨手は理不尽に言い放った。 「そっか、そっか。俺、まだ気持ちよくないんですけど」  最初は冨手の冗談かと神足は思ったのだが、そうではなかった。言葉どころか、神足を見下ろす目は酷く冷たいものだった。 「ご、ごめんね」  神足も学生の頃にそうしていたように、冗談で返したかったのに怯えたような声しか出てこなかった。それがまた冨手の癇に障ったのだろう。冨手は神足の前立腺を続けて、自身の陰茎や精液で責めた。  もはや、愛撫ではなく、折檻という方が近かった。  何度も何度も打ち付けられて、神足は腹を壊し、腰を痛める。声が枯れて、流せる涙がなくなっても解放してもらえなかった。 「なぁ、気持ちいい?」  それから、冨手はエゴサーチをした後や、打ち合わせ後で不機嫌になった時は神足を寝室に呼んだ。他のアシスタントがまだ仕事場にいるにも関わらず、ONにして強にしていくと音が響くのではないかと思うようなローターや、いぼや太さのあるディルドをアナルへ入れるように強制させられ、快楽に苛め抜かれたこともあった。 「き、気持ちよくない」  神足は射精してしまわないように、奥歯と目尻に力を入れる。我慢できないと「気持ちよくない」は嘘になってしまい、冨手はさらに惨たらしく性感帯を責める為だ。  それに…… 「そうか」  気持ちよくないんだな、と少しだけ満足そうに冨手が笑うのを見ると、神足は安心した。仮に、同じように責められるにしても、優しく責められる。労わるように責められる。 「じゃあ、一緒に気持ちよくなろうな」  と言われ、快楽に落ちていくのは神足にとって幸せなことだった。

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