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第8話

中はその翌日から毎日のようにここへ通ってくるようになった。 美空の手作り弁当を食べニコニコして昼休み中人のことを穴が開くんじゃないかって位熱い視線を寄越してそして満足して帰っていく… 「中くん何か可愛いよね」 「ほんとぉ…かわいいぃ」 って二人して言ってる姿が俺からしたら可愛いんだけどね。 二人とも小柄で可愛らしい顔をしてるので小動物がじゃれついてるみたいに見えるし。 「睦月さぁ。これからもこんな感じで中くんと過ごすの?」 「始め告られたときにあいつ本人に直接伝えてる。付き合うとかはないかもしれないって。それでもいいっていってるから飽きるまで好きにさせる。たぶん入学してすぐでたまたま代表挨拶したのが俺だったから目についてるだけでそのうち飽きる」 そう…きっと飽きるんだと…思ってる。俺は一番にはなれないから… 勉強だけ一番でも他でそうなれなきゃ意味はない気もするけれどそれが俺だから… 俺は…きっと…もう…人を好きにはならない…だって…好きにならなきゃ…苦しまなくて済むから…

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