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第14話
幸三郎side
「こう!何であんなこと大声で」
「だって!見てらんなかったもん!中は僕にとって大切な友人だよ?孤立してた僕に救いの手を差し伸べてくれた人だよ?だから…中には幸せになって欲しいもん!」
「だからってやっていいことと悪いことあるのわかるだろ?」
「だって…ああ言う風に言ったら雪輪先輩が中のこと意識してくれるかって思ったから…だから…でも…先輩は顔色一つ変えなかった…それって…もう…脈ないってことでしょ?どんなに好きでも叶わない恋なんて辛いよ?ねぇ。中…」
「俺が勝手にやってるから…いいんだって…雪輪先輩の側にいられただけで幸せだったのに…」
「嘘だよ…水無月先輩とのこと聞いて動揺したでしょ?本当は振り向いて欲しいくせに」
「水無月先輩は俺と違って可愛いし料理もできるし優しいし…すごくいい人だから…敵うわけないのわかってるよ…ずっと…水無月先輩を特別な目で見ていることだって…でもさ…俺水無月先輩も好きだから…雪輪先輩と水無月先輩の一緒にいる空気が好きだから…でも…」
「ねぇ。中。少しだけ離れてみたら?姿を見なかったらまた違う考えが浮かぶかも知れないよ?ねぇ。時間おきなよ」
「…わかった…」
僕と中が婚約者なんて事は本当は事実じゃない…少しでも雪輪先輩に意識して欲しかったのに…やり過ぎてしまった…
午後の授業も終わり岐路につく
僕の隣には中がいる。久しぶりだった。いつも僕の隣には違う人がいたから
「ゆき!」
「あ。あーちゃん。」
「なぁに先に帰ってんの?」
「あーちゃん先生に呼ばれてたし時間かかりそうだったから」
「そ。んで?浮気してんの?中と」
「敦夢。お前何いってんの?こうが一途なのお前が一番知ってるだろ?」
あーちゃんは僕の交際相手。付き合いはもう二年ほどになっていた
「おいで。ゆき。お仕置きしてあげる」
「待てよ。敦夢。」
「何?あのさぁ。中。俺お前の事、前から気に入らなかったんだよね。幼馴染みかなんか知らねぇけどベタベタベタベタゆきに触りやがって…」
「触ってねぇし」
「ほら、行くよ!ゆき!」
あーちゃんが俺の手を引き学校へ引き返す。
「あーちゃん…痛いよ…」
「やめろよ。痛がってるだろ?」
「うるせぇ。」
あーちゃんはボクシングをしている。その拳が中の腹にめり込む
「ぐっ…敦夢…っ…お前っ…」
「中!!」
「は?ゆき。今何て?何で中を呼ぶの?意味わかんないんだけど」
そういうと僕は肩に担がれた。連れてこられたのは今は使われていない体育館裏の倉庫。
マットの上に乱暴に放り投げられ一瞬息が止まる。
「俺がゆっくりゆっくり優しく進んでいこうとしてやってんのに…我慢できなかったの?ゆき」
「違う…中とは何もない…」
「気にくわない…あたるあたるあたるあたるって…」
「あーちゃん…」
僕のシャツは乱暴に引き裂かれた。
そして荒々しく口づけられ体を弄られる…
怖い…あーちゃんはいつも優しくて…体を繋げる勇気がまだない僕を根気強く待ってくれてた…だからこれまで体を開かれたことはなくて…
なのにあーちゃんの表情はいつもと違った
「あーちゃん…待ってよ…怖い…」
「五月蝿い!!中とはもうやったんだろ?何しおらしいふりしてんの!!」
「中とは何もないもん!!あーちゃんとしか手すらも繋いでないもん!やだよ…こんなところで…あーちゃん…」
「五月蝿い!!」
あーちゃんから始めて叩かれた…痛くて涙が出る
「ほら。おとなしく股開けよ!!」
「敦夢!!やめろ!!」
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