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第12話

「………」 ……好き……竜一、好き…… 僕はもう、竜一以外……いらない…… ……もぅ、竜一としか……したくな…… 「ぁ、ああっ!…は、げし……ゃ、」 突然腰を強く打ち付けられ、パンパンと肉のぶつかる強い音が響く。 それに連動する様に、ギシギシとベッドが激しく軋む…… その音に掻き消されそうではあるものの、同時にくちゅくちゅと卑猥な水音が重奏する。 ……竜一、竜一…… やだ、変になる……や…… 僕のナカが熱く戦慄き、もっともっとと貪欲に竜一を求めてしまう…… 「……チッ、」 ギラギラとした雄の目が、僕を見下ろす。 まるで獲物を捕らえた、猛獣の様な目付き…… 本能なのか、その瞳に捕らえられれば胸の奥がキュンと柔らかく締め付けられ、竜一の愛が欲しいと、キュうッと一層吸い付く。 「……くそ、持たねぇ」 僕を抱き抱えると、竜一が苦しそうに囁き、耳殻を甘く噛んだ。 「…あッ!…ま、待っ……やぁああっ、ああぁあ……、っ、!」 必死に竜一にしがみつき、顎先を天に向け息継ぎをする。 ……そうしないと、溺れてしまいそうで…… 律動が激しさを更に増し、激しい音、激しく体が揺らされた瞬間、 ……ドクドク、ン 剛直が最奥を抉り、僕のナカで大きく脈動し…… ……滾った竜一の愛を、残らず全部、……受け止める…… ……はぁ、はぁ、 果てた竜一が、僕にのしかかる。 繋がった所、近付いた心臓と心臓。 触れ合う熱い肌……お互いの汗……荒い息。 心地良い気怠さを感じ、爪先まで全部、竜一で満たされる。 身も心も、全てをトロトロに溶かして 精神まで、竜一と溶け合ってひとつになったように感じる…… 甘くて、あったかくて……幸せ…… ぴくり、と指先が動く。 その手をそっと持ち上げ、竜一の背中にそっと回す。 テーブルの上にある小さな箱……ピアスの入ったそれが 全ての事の成り行きを、静かに見守っていた。

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