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第2話

「君の名前は?」 「…杏月…。あなたは?」 「…桔梗。」 男の人は少しためらっていたが、偽名だろうか、答えてくれた。 「桔梗…。綺麗な花の名前ですね。」 「にいさま!にいさま!一緒に遊びましょう?」 小さな子どもは無邪気に少し大人びた少年に話しかける。 (あぁ、これは僕が子どもの時の…。) 「いいよ。なにして遊ぼうか。」 「じゃあ、鬼ごっこ‼僕が鬼ね。」 「クスクス。いいよ?」 このあと結局捕まらなかったんだっけ? にいさまって誰? 僕に兄はいなかったはず。 「…ず…あんず。」 「…ん…、姐さん。」 夢を見たいたのだろうか。 目の前には僕の姐さんがいる。 「あんずにお客さんが来たんだよ。しかも、アルファの。」 「アルファのお客さんが?珍しい。」

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