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第9話

「ハウス」と言われ、トボトボ歩き出す俺を 野 坂(ゴリラ)が優しく肩を叩いて慰めてくれた。 うん… いいヤツだ… だけど…俺から広海を奪う(かもしれない) ヤなヤツ…(かもしれない…) 『…………』 ああ…どうしよう…… ホントにこのまま広海が野坂(ゴリラ)と…… ──(×××)なんて事になったら…… あああ…… 毛…剃るんじゃなかった…… よもや、この俺が… ずっとボーボーで悩んでいた この俺が…… 毛がなくなって悩む日が来ようとは 思いもしなかった…… ガクリ。 『豪太、どうした?』 『暗いぞ?お前…』 『具合でも悪いのか?』 悪友たちも心配して色々 声をかけてくれるけど 答える元気はなく…広海の言うとおり おとなしく座って海を眺める事にした。 お昼ごはんの頃には広海もすっかり いつもの広海に戻ってて、 仲良く並んで楽しく食べて 俺の元気も急上昇! よーし! 昼からは広海と泳ぐぞー! 夏を満喫するんだ! と、張り切って イルカの浮き輪を膨らませていると… 『豪太』 広海が傍にやって来て、半分くらい膨らんだイルカの 空気を抜いてしまった。 『え……なんで?』 『豪太は泳いじゃダメ』 『え…………ダメ…?』 『ダメ』 えぇー??? なんで? なんで?? なんでダメなの??? あ……! やっぱりまだ毛を剃ったコト……怒ってる?! えええぇぇ…… うわ……うわわ…… ど、ど、どうしよう………! 『豪太…』 どうしよう…!! 『豪太?』 どうしようっっ!! 『ごーおーたーっ!聞いてる~?生きてる~?』 『──は、はいっ!豪太です!聞いてます! 生きてますっ!!ごめんなさいっ!!』 ヤバい! 名前 呼ばれてたのに無視しちゃってた!! 焦って慌てて返事をすると…… 広海は一瞬キョトンとした後 「ぷはっ」と吹き出した。 そして、 脱いでいたパーカーを着せてくれて 『豪太、帰ろ?』 と、ニッコリ微笑んだ。

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