『ひ、ひ、ひろ…….ひろ…ひろ……』 『わー、すごーい。もさもさ～♪』 『すごいだろー？』 『───っ！…ひ、広海……ひろ……』 『すごいねー♪』 『すごいだろー♪』 ガーン！！ うあーんっっ！！ 全然こっち(オレを)見てくんないー！ もう、もう…ダメだ…っ！！ 広海は クマ(オレ)ではなく ゴリラ(のさか)に心ひかれてしまったんだ…！！ うおーんっ！ もう終わりだーっっ！！！ こうなったら… こうなったら…… 溺れてやるっっ！！ イチャイチャしてる(ように見える)２人から離れ サンダルを脱ぎ捨て、ダッシュで海へ。 バシャバシャと海水に膝まで浸かって、 まさに泳ぎだそうとした その時… 「ダメ！」の声とともに、後ろから腕を掴まれた。 『…………え？』 この声………… 『ひ、広…海ぃ……』 まさか、止めにきてくれた…？ 俺を…… 俺を…… 『ひ、広海ぃぃ！』 やっぱり好きだぁぁぁ！！ 離れたくなーいっっ！！ 飛びつこうとして 広海に思いっきり頭を叩(はた)かれた。 『え………』 『豪太は海に入っちゃダメって言ったでしょ…？』 低い声… 完全にすわっている目… …て事は…… 広海……本気で怒って…る…？？ 『ひろ……ひろ…ひろ……広海……』 『豪太…、ハウス』 と、悪友たちのいるパラソルを親指で指し、 俺の目の前で クルリと下に向けた。 ひ、ひえぇぇぇ！！ こ、怖……っっ！ ホントにマジで怒ってるぅぅぅっ！！ うおーんっっ！！