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第7話

ガーン…… 怒らせた…… あの、海のように心の広い優しい広海を… 怒らせてしまった…… ガーン…… そうだ…… そうだよ… 広海は…俺の毛を「好き」って言ってくれて 「俺のクマさん♡」って胸毛に すりすりするのが大好きで…… なのに俺は…… 俺ってヤツは…… 自分の勝手な都合で…思いつきで 剃って…… 剃っ……… 『ああああ……剃っちゃった…… 俺のバカ…バカバカ………』 ツルツルの胸とお腹を見下ろし 自分のしでかしてしまった事の重大さに、凹む。 うー、どうしよう…… 謝りに行った方がいいかなぁ…… でも「海に入っちゃダメ」って 言われちゃったしなぁ…… どうしよう…… 砂浜を行ったり来たり、ウロウロしていると 前から歩いてきたマッチョな男に声をかけられた。 『あれー?豪太くんじゃないかっ』 『…………へ?』 見れば、ソイツは隣のクラスの ムキムキ筋肉バカの異名を持つ 野球部のエースの……野……坂……っ!? 『────うっっ!』 な、 な、 なんじゃ、コイツ…! 全身モジャモジャッッ!! 俺より毛むくじゃらっっ!! クマっていうか、ゴリラ!! しかも、それをまったく隠す事もなく堂々と 歩いてる….っっ! す、すげーっっ!!! なんだ、コイツッ!! 『あれ、野坂じゃん』 『………へ?あ…』 そこに、現れたのは……愛しい俺の広海! 『ひ、ひろ……』 『あは。野坂、すごいね、胸毛~♪』 愛しい俺の広海…………は、 俺を完全にスルーして野坂に近づくと 野坂の胸毛をガン見しながら、ニッコリと笑った。 『───っっ!!』 ガーン! 『すごいだろー?触っていいぞ?』 『えー、いいの~?』 『────っっ!!』 ガガーン!! ひ、広海が俺以外の毛を見て喜んでる……! 嬉しそうに笑ってる…! そしてそして、触ってるーっ!! ガーンッッ!! ウ、ウソだ……! ウソだ!やめてーっっ!! 広海ぃぃぃ! カムバーック!!!

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