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第6話

平日だからか 幸いにもトイレは混んでなかった。 よ、よーし! 個室に飛び込んでカバンの中をあさって 取り出したのは… チャラチャチャーン♪ 5枚刃のカミソリ~!! もしもの時のためにカバンに入れといて よかった~っ!! 『よし、これで……』 とりあえず1番 目立つ胸毛を剃ろう…!! 背中も剃りたいところだけど1人じゃ無理だし 脛毛と腕毛は…まあ…なんとかなるだろー。 専用のジェルを塗りたくってジョリジョリ。 胸毛といっても腹まで続いているから 結局、前側はほとんど剃るハメに…… 思ったより時間が かかってしまった。 急いで広海の元に戻らなきゃっ!! 『うおぉぉぉぉっっ!!』 大急ぎで、走って走って荷物を悪友に預けると パーカーとジーパンを脱ぎ捨てた。 そして、 女の子たちと海に浮かんでいる広海に手を振る。 広海はすぐ俺に気がついてくれて 女の子たちに何やら声をかけて 海から上がってきた。 『豪太、随分 長かった……』 近くまで来て、俺のツルツルの体を見た途端 ぎょっと足を止める。 『豪太……それ……』 『あ、うん。さすがに皆いるから は、恥ずかしくて……トイレで剃ってきた…』 『………ふーん』 広海の目がスーッと細くなる。 ………あ、あれ? これは…怒る前のサイン…… 『……ひ、広海?なんか…怒ってる?』 恐る恐る聞くと、 『…………別に? 豪太がそうしたかったんなら…いいんじゃない?』 フイッと顔を反らすと海へ戻ろうとする。 『あ…!広海……俺も…!』 『ついて来ないで』 『…………え?』 『豪太は海に入っちゃダメ』 そうビシッと言い切ると スタスタ歩いて行ってしまった。 『………………え……え?』 置いてかれた…… え? え? ウソ……! 怒ってる…? 怒ってる…! お、怒らせちゃった!! ど、ど、どうしよう…… わー!わー! ど、どどどとうしようっっ!!

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