5 / 12

第5話

『えー?豪太くん~?』 『まぁ…仕方ないかー』 『じゃあ、豪太くんも行こ?』 『…………』 おいおい。 それ…、かなり失礼…… 俺、全身は毛に守られてるけど 心臓(ハート)は繊細なんだぞ? 傷つきやすいんだぞ? ───って、 そんな事 言ってる場合じゃないんだってぇぇ! この…モジャモジャボーポーボディを 広海以外に見せる勇気はない…… つーか、毛深い事… クラスメイトに知られたくない… だって… だって…恥ずかしいんだもーんっっ/////! ど、どうしようぅぅぅ…… 。 。(考え中) 。 ───あ! そ、そうだ…っ!! そうだった! こんな時のために…俺……っ! 『あの…!俺、トイレ行ってくる! 先に海、入ってて!』 とりあえず、ここから逃げて… ……アレだ!アレを使おう!! サンダルを引っかけ、走り出そうとする俺を 『あ。じゃあ、俺も行く』 広海が追いかけるように立ち上がった。 ……けど、 『えー?トイレなら さっき行ったじゃーん』 『海、行こうよ~』 『豪太くん、先 行ってるね~』 『ごゆっくり~』 『チッ』 ──と、広海が舌打ちしたのも気づかないくらい 賑やかに、そして、またしても強引に 海へ引きずられて行った。 むうぅぅぅ… 悔しい…… けど、今はトイレ!トイレッッ!! 急げ、俺ぇぇぇ!!!

ともだちにシェアしよう!