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第4話

『はー、はー』 や…、やっと追いついた…… 重かったぜ、こんちくしょーめっ!! 『ははは』 『豪太、おせーよ』 『落としてねぇかー?』 なんて笑う、悪友たち。 『お前ら……』 『さ、泳ぐかー!』 『おー!いこいこー!』 『女子の水着じゃー!』 『豪太、荷物番よろしくー!』 『あ……!おいっっ!!』 とっとと俺を置いていく悪友たち…… くそぉ…! マジで重かったんだから少しは労れってんだ! まったく、もう…… ───って、荷物番なら脱がなくていいか… とりあえず…助かった…… 膝に手をつき、肩で息をしていたら 目の前に ヌッと タオルが現れた。 『……………?』 不思議に思って顔を上げると、そこには…… 優しく微笑む天 使(ひろみ)が立っていた。 『お疲れさま、豪太』 と、額の汗を拭いてくれる。 『ひ、広海ぃ…♡』 うおぉぉぉ…! 荷物、運んでよかった……! 荷物番でよかった……!! ありがとう、神様っっ!! 『あー、あっついねぇ』 広海が「よっこらしょ」と、俺の横に座る。 『お、女の子たちはいいのか?』 広海が傍にいるのが嬉しいクセに さっき、女の子に囲まれてて悔しかった事、 1人置いてかれて寂しかった事……を思い出して つい憎まれ口を叩いてしまう俺。 『んー?うん。トイレ行くって逃げてきた。 ………なに?俺、女の子といた方がよかった?』 広海の目がスーッと細くなる。 (これは、広海が怒る前のサインなのである) 「──っ、んなワケないだろっ!! 俺は広海といたいし 広海が一緒じゃないと楽しくないっ!」 慌てて、言い訳…ではなく、本音をぶちまけると 『そう?よかった♪俺もだよ♡』 広海はいつもの優しい天使な笑顔に戻ってくれて ホッと一安心。 それから暫くは2人してボーッと海を眺めて 泳がずして夏を満喫?していたのだけど…… 『あー、楽しかったぁ』 『豪太、サンキュー』 『交代しようぜ~!』 悪友たちが戻ってきて、ピンチ再来…! しかも、 『広海くぅん♪泳ごうよ~』 『海の中、気持ちいいよ♡』 またしても 女の子たちが広海を強引に海に連れていこうと 広海に群がり始めた。 うぐうぅぅぅ! 俺の広海にベタベタ触るんじゃねぇぇ!! とか言ってやりたいところだけど さすがにそれは……出来ない…… 悔しいぃぃ…!! 『あー、めんどくさ……』 広海が低く呟いた。 (これは、かなり怒っているサインである) 『え?』 『なに?』 『誰?』 女の子たちは、まさか広海から発せられた声だとは 思ってもいないようでキョロキョロと辺りを見回している。 その間に、 女の子の手を振りほどき立ち上がった広海は 『豪太も一緒なら行くよ♡』 と、ニッコリ天使の微笑んで見せた。 おお!広海ぃ……ナイスリカバー! ────って……あり? 豪太も一緒なら……って………… 一緒に…………海に行くって事??? 海に行くって事は……… 服、脱がなきゃじゃんっっ!! 俺……っ… 俺ぇ……っ… 大ピンチじゃね!?

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