あやりょのお話は 「誰かに会いたいと思うなんていつぶりだろうか」 で始まり 「腹が立ったから、脇腹をつついてやった」 で終わります。 #こんなお話いかがですか 診断メーカーのお題で。 - - - - - - - - - - - - - - - - - 誰かに会いたいと思うなんていつぶりだろうか？ 正確には、誰か、にではない。 会いたいのは、一人だけ。 付き合い出しても、特に会いたいなんて思うことはなかった。一人が気楽だ、一人で生きて一人で死んでいこう、ずっとそう思って生きてきたから。 会いたい会いたいと言われるから、恋人としての義務を果たすべく、仕方なくわがままに応えてやっていたんだ。 なのにいつからだろう、会えるのを心待ちにしている自分がいて。 同じように、会いたいと思うようになって。 やっと、会えたね。 口には出さないけど。 「やっと会えた、って顔に書いてある」 余裕たっぷりにニヤつきながらそう言われてしまった。 なんだよ、そっちの方がベタ惚れなんじゃなかったか？ 俺が仕方なしに会ってやってたんじゃなかった？ ああ、耳が熱い。 腹が立ったから、脇腹をつついてやった。 【おわり】