視界が自室の風景に戻った。意識が体の中に戻ったらしい。最後の最後まで見届けるのはさすがに良心の呵責を感じていたとこやったから、ちょうどいいタイミングやった。 思っていた通り、俺のアレは反りくりかえっててカッチカチ。早速さっきのアヤをオカズに、とファスナーを下ろしかけたのをやめて、スマホを手にした。アヤにかける。いけずやろ。今頃まだ息切らしてるで。 「……何」 やっぱり、頑張って平気なフリしてるけど息が荒い。 「お疲れ。帰っててんな。今何してたん？」 「別に何も。何か用？」 ッカーッ！あんなに俺の名前呼びながらよがってたくせに面と向かってはこの態度！一周まわって可愛すぎるなちくしょうめ！ 「好きやで、俺のアヤ」 ……しばし沈黙。テレタイムかな。 「用件、それだけ？」 いつも以上にツンが過ぎるのはきっと今めちゃめちゃ恥ずかしいからなんやろなあ。なんて言うてもあんなことしてた直後やもんなあ。 アヤ一人に恥ずかしい思いはさせへんよ。 「あんな、ちょっと付き合って欲しいんやけど」 言いながら俺は今度こそファスナーを下ろして、カチコチに反ってるヤツを握りこんだ。 「付き合う？何に？」 「オナニー」 「は？」 「今もう触ってて、すんごい硬くなってる」 電話の向こうで、ゴクリと唾を飲む音が聞こえた。 「どうやって触ってるの」 「右手で扱いてるよ」 「もっと速く」 言われて速度を上げたら、途端に頂点に向かって追い立てられる。あくまでも、さっきさんざん眼前であんなものを見せつけられたせいやで。 「ん、こんなん、すぐ、っ」 「いっていいよ」 「ん、あ、もう、」 「愛してるよ、リョウ」 「や、そんな、あ、っあ、ああっ！」 真っ白な世界から帰ってきたら、真っ白な液があたりに撒き散らされてて。すっかりやらかしてしもたやないか…… さらに我に返る。まだ通話中やった。 「アヤ？」 「ん……」 「どしたん？」 「リョウの声聞いてたら、俺もしたくなってきて」 あんさんさっき済ましましたやん……やっぱり絶倫か！ てかこれ、終わらへんやつ……？ 【おわり】