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まつりのあと(side A)

(二人で夏の野外フェス2daysへ行き、別れた後の話)  強制連行され、人混みと暑さの中一日中外を歩き回った二日間。ようやく解放され、一人になった。  一人は落ち着く。無音状態が好きだ。静寂に囲まれていると、ここには自分しかいないんだと思うと安心する。  体はひどく疲労している。手早くシャワーで汗と埃を流し、早々に寝床に入るが、やっぱり睡魔はやって来てくれない。  眠れないのはいつものことだが、別れた後が特にきつい。  昨夜そこにあった温もりが今夜はない、この現実が、睡魔をさらに遠ざける。  いつも帰宅したら家に着いたと報告の知らせが来るのに、スマートフォンはうんともすんとも言わない。もうとっくに家にはたどり着いている時間だというのに。  いつも入る連絡がないと、心配になる。まさか、まだ帰っていないとか?  こっちから連絡してみるべきか、でももう寝ているかもしれない。  何度も何度も寝帰りをうつ。  寝返りをうつたび、睡魔は遠のいてゆく。

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