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素直なキミも手がかかる【逆Ver.】3

 それから何度いかされたかわからない。  最終的には向かい合うかたちで、ようやくアヤも絶頂を迎え、リョウの中から引き抜こうとした時、両脚がアヤの腰に絡みついてきてホールドした。 「まだ、抜かんといて」  息も絶え絶えの中、くたくたの消え入りそうな声が聞こえた。まだ意識があったのか、とアヤは驚いた。 「どうして。早く抜かなきゃ漏れてくる」 「ええから、もうちょっとこのままおって……」  去っていかれるのが寂しいからだ、とリョウは理由を話した。 「せっかく繋がったのに、また離れやなあかん。なあ、なんでこんなに愛し合ってんのに離れなあかんの?」  リョウはとうとう泣き出してしまった。アヤはかける言葉が見つからない。 「離れたくない、ずーっとこうして繋がってられたらええのに」 「リョウ……」  近頃聞かなくなった言葉たちだ。会いたい、ずっと一緒にいたい、離れたくない、付き合い始めは顔を合わせるたび、いや、話をするたび聞かされて、うんざりしたこともあった。この頃聞かなくなったな、と危機感を覚えたこともあったが、リョウが気を使ってくれているのだと知るのだった。  濃い睫毛がすっかり濡れそぼり、唇はかすかに震えている。 「早よ一緒に暮らしたい……俺よう待ってるやんな、でもこんなん言うたらアヤのこと困らせるだけや……一体いつまで待ってたらええんやろ、ほんまに待ってたら叶うんかな?……俺まだ、待てるんかな」  アヤが思わず目を剥いた。今の言葉はどういう意味だ。 「それって、どういう」  アヤが身を起こしてみると、リョウは目を閉じてしまっていた。何度もいかされ、体力の限界を迎えたようだ。  にしても、あんな言葉を残して眠ってしまうなよ。  リョウが眠ってしまってからも、アヤはずっと気が気でない。『待てるのかな』とは?待てないかもしれない、ということか? 「ずっと我慢、してるんだよな」  胸が締め付けられる思いで、リョウのまだ濡れた睫毛にそっと触れた。

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